水平対向4気筒のターボと四輪駆動を、走りの側へ振り切ったスバルのWRX STI。軸になるのは2.0Lと6速マニュアルの組み合わせです。2007年からのGR/GV系には、2.5Lのエンジンとオートマチックを積む「Aライン」も並びました。2014年8月のVAB系では、ふたたび2.0Lの6速マニュアルだけになっています。
このページでは、2026年8月にオートオークションで落札されたWRX STI、合計54台から基準に合うデータを抜粋し、世代とグレードごとに掲載しています。ターボを積んだ先代にあたるインプレッサWRX、同じ車体で乗りやすさに振ったWRX S4、自然吸気のインプレッサは別のページにまとめています。
売却時はもちろん、中古車購入時の参考にしていただければ幸いです。
ご覧いただく際の注意点

掲載価格はすべてオートオークションでの税込み落札価格です。買取店が提示する金額は、ここから陸送費・出品料・利益を差し引いた額、販売店の場合は落札価格に陸送費・出品料・利益を足した額になります。車種と価格帯によりますが、10〜30万円程度変わるのが一般的。落札相場を知っておくと、
提示額がどこまで落札金額に近いか
を判断する目安となります。
また基本的に相場は下がるものです。中には希少車や輸出時期の関係で、上がっていくものもありますが、基本的に古くなるにつれ、緩やかに下がっていきます。
※掲載データは2026年8月時点のものです。
年式から相場を探す

各年式でもっとも流通しているグレードの相場です。走行距離はその年式で最も多く出品されていたゾーンを中心に抜粋しています。
| 年式 | 世代 | グレード | 台数 | 中心となる 平均走行距離 |
平均落札価格 | 価格帯 最安〜最高 |
残価率 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 平成302018年 | VAB系 | STI タイプS 4WD | 2 | 6.5〜6.6万km | 340万円 | 325〜355万円 | 84% |
| 平成232011年 | GR/GV系 | STI Aライン 4WD | 2 | 13.4〜14.9万km | 75.8万円 | 73.7〜77.9万円 | — |
| 平成222010年 | GR/GV系 | STI Aライン 4WD | 2 | 9.3〜10.9万km | 92.0万円 | 91.0〜93.1万円 | — |
| 平成212009年 | GR/GV系 | STI Aライン 4WD | 3 | 12.2〜14.1万km | 74.8万円 | 72.0〜77.9万円 | — |
| 平成252013年 | GR/GV系 | STI 4WD | 2 | 14.2〜14.4万km | 152万円 | 132〜171万円 | — |
| 平成242012年 | GR/GV系 | STI 4WD | 2 | 13.2〜15.3万km | 116万円 | 109〜124万円 | — |
| 平成232011年 | GR/GV系 | STI 4WD | 2 | 15.4〜16.5万km | 105万円 | 105〜106万円 | — |
| 平成192007年 | GR/GV系 | STI 4WD | 2 | 14.5〜15.6万km | 99.3万円 | 91.8〜107万円 | — |
表の読み方
年式ごとに、出品された走行距離の中央付近の値を掲載しています。たとえばGR/GV系のAラインであれば、出品14台の中央値は約119,000kmでした。
「STI」は2.0Lの6速マニュアル、「Aライン」は2.5Lのオートマチックです。同じ世代でも中身が違うため、金額もはっきり分かれます。「タイプS」はビルシュタインのダンパーと専用の内装を持つ上級版です。
この車はすべて四輪駆動なので、表示名の後ろに付く「4WD」は他の車種と揃えるためのものです。前輪駆動の設定はありません。
GR/GV系は当時の新車価格を手元の表に持っていないため、残価率の欄が出ません。実際の落札額でご覧ください。
また車輌の走行距離における掲載基準は、その中央値から上下20%以内の車輌に限定。中央値が50,000kmであれば40,000〜60,000kmの範囲で掲載し、できるだけ走行距離条件を揃えるようにしています。調べた総数より台数が少ないのは、掲載基準を厳選しているためで、できるだけ標準的な走行距離帯を掲載し、照合しやすくさせています。
評価点はオートオークションの外装評価です。数字が大きいほど状態が良く、開催会場によって基準は変わりますが、5〜6点なら新車に近い、4.5点はかなり小さなキズ、4点はそのままお店に展示できるくらいのレベル、3.5点は少し外装の補修が必要な状態を指しています。「修復有」は骨格部分を修復した履歴がある車輌です。
VAB系WRX STI
※2014.8〜2021
※2014.8〜2021
型式:VAB。車名からインプレッサが外れ、WRX STIとして独立した世代です。2.0Lの6速マニュアルに一本化され、Aラインは無くなりました。
グレードはSTIと、足まわりと内装を上げたSTI タイプSの2つが柱です。限定車のS207・S208・タイプRA-Rも同じ型式で出ています。
今回この世代で出品されたのは6台と少なく、相場の形ではなく実際の落札額をそのまま載せています。
走行距離の中央値は6.6万kmでした。
※価格は全て税込表示です
STI タイプS 4WD
| 年式 | 台数 | 実際に出品された 平均走行距離 |
価格の分布 最安〜最高 |
平均落札価格 | 残価率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 平成30 2018年 |
2 | 6.5〜6.6万km | 325〜355万円 | 340万円 | 84% |
その他のグレード
| グレード | 台数 | 走行距離 最小〜最大 |
価格の分布 最安〜最高 |
平均落札価格 |
|---|---|---|---|---|
| STI 4WD | 1 | 3.2〜3.2万km | 412〜412万円 | 412万円 |
実際の落札実例
| 年式 | グレード | 走行 | 色 | 評価 | 落札価格 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 最高値 | 令和1 | STI 4WD | 3.2万km | シルバー | 4 | 412万円 |
| 上位 | 平成30 | STI タイプS 4WD | 6.5万km | ブルー | 3.5 | 355万円 |
| 中央 | 平成30 | STI タイプS 4WD | 6.6万km | パール | 3.5 | 325万円 |
| 下位 | 平成26 | STI タイプS 4WD | 9.6万km | ブルー | 4.0 | 242万円 |
| 最安値 | 平成26 | STI タイプS 4WD | 16.1万km | グレー | 3.5 | 140万円 |
相場の寸評
該当した5台は140万円から412万円に広がりました。同じ世代の中で2.9倍の開きがあります。効いているのは走行距離で、いちばん高い1台は32,000km、いちばん安い1台は161,000kmでした。
この世代は新車価格が分かるので、残価率も出しています。平成26年式のSTI タイプS 4WDが140万円で34%、平成26年式のSTI タイプS 4WDが242万円で59%、平成30年式のSTI タイプS 4WDが325万円で80%、平成30年式のSTI タイプS 4WDが355万円で87%、令和1年式のSTI 4WDが412万円で107%。いちばん高い令和1年式の1台は107%と、当時の新車価格を超えて落札されました。生産が終わった6速マニュアルのターボ車として、中古市場で値が上がっている車です。
ただし今回の出品は5台しかありません。1台ごとの状態でこれだけ動く車なので、この数字はあくまで幅を知るためのものとしてご覧ください。実際に売るときは、必ず複数の買取店に見せてください。
*
GR/GV系WRX STI
※2007.10〜2014.8
※2007.10〜2014.8
型式:GRB/GRF/GVB/GVF。GRが5ドア、GVが4ドアの車体です。GRBとGVBが2.0Lの6速マニュアル、GRFとGVFが2.5Lのオートマチックで、こちらがAラインにあたります。
2007年10月に5ドアで登場し、2010年に4ドアが加わりました。当時の新車価格を手元に持っていないため、この世代に残価率は出していません。
今回この世代で出品されたのは48台。うち修復歴のある車が19台(40%)と多く、表に載せているのは残る25台です。
走行距離の中央値は13.4万kmでした。
※価格は全て税込表示です
STI Aライン 4WD
| 年式 | 台数 | 実際に出品された 平均走行距離 |
価格の分布 最安〜最高 |
平均落札価格 |
|---|---|---|---|---|
| 平成25 2013年 |
1 | 11.7〜11.7万km | 101〜101万円 | 101万円 |
| 平成23 2011年 |
2 | 13.4〜14.9万km | 73.7〜77.9万円 | 75.8万円 |
| 平成22 2010年 |
2 | 9.3〜10.9万km | 91.0〜93.1万円 | 92.0万円 |
| 平成21 2009年 |
3 | 12.2〜14.1万km | 72.0〜77.9万円 | 74.8万円 |
STI 4WD
| 年式 | 台数 | 実際に出品された 平均走行距離 |
価格の分布 最安〜最高 |
平均落札価格 |
|---|---|---|---|---|
| 平成25 2013年 |
2 | 14.2〜14.4万km | 132〜171万円 | 152万円 |
| 平成24 2012年 |
2 | 13.2〜15.3万km | 109〜124万円 | 116万円 |
| 平成23 2011年 |
2 | 15.4〜16.5万km | 105〜106万円 | 105万円 |
| 平成22 2010年 |
1 | 9.3〜9.3万km | 121〜121万円 | 121万円 |
| 平成21 2009年 |
1 | 15.2〜15.2万km | 85.2〜85.2万円 | 85.2万円 |
| 平成19 2007年 |
2 | 14.5〜15.6万km | 91.8〜107万円 | 99.3万円 |
実際の落札実例
| 年式 | グレード | 走行 | 色 | 評価 | 落札価格 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 最高値 | 平成25 | STI 4WD | 14.2万km | パール | 4.0 | 171万円 |
| 上位 | 平成19 | STI 4WD | 10.2万km | ブルー | 3.5 | 119万円 |
| 中央 | 平成22 | STI Aライン 4WD | 9.3万km | パール | 4.0 | 93.1万円 |
| 下位 | 平成22 | STI Aライン 4WD | 13.4万km | パール | 3 | 82.5万円 |
| 最安値 | 平成21 | STI Aライン 4WD | 12.2万km | パール | 4.0 | 72.0万円 |
相場の寸評
この世代でいちばん金額を分けているのは、2.0Lの6速マニュアルか、2.5LのAラインかという違いです。6速マニュアルのSTIが11台で平均116万円、Aラインが14台で平均89.1万円。差は26.4万円あります。台数の多いAラインの方が安く、数の少ない6速マニュアルの方が高いという並びです。
理由は探している人の側にあるのでしょう。この年代のWRX STIを中古で買う人は、自分で操る6速マニュアルを目当てにしています。お持ちの車が6速マニュアルなら、そこは必ず伝えてください。
走行距離では、きれいに下がりません。100,000km未満が107万円、100,000〜140,000kmが92.7万円、140,000km以上が103万円。いちばん長い帯が真ん中の帯より高く出ており、距離の順に並ばないということです。今回の25台のうち19台が100,000kmを超えていました。よく走らされてきた車が多く、距離が伸びていること自体はこの世代では珍しくありません。
目立つのは修復歴の多さです。この世代は出品48台のうち19台に修復歴がありました。サーキットや雪道で使われることの多い車で、年数が経って直しながら乗られてきた個体が多いということです。裏を返せば、修復歴のない個体は数が少なく、そのぶん高く評価されます。
この世代の25台は72.0万円から171万円に広がり、平均は101万円。走行距離が15万kmを超えていても100万円を上回る例があり、距離だけで判断されない車です。査定額に納得がいかないときは、この手の車を扱い慣れたお店にも見せてみてください。
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修復歴があるといくら下がるか

オートオークションでは、骨格部分に修復歴のある車は評価点が「R」と記載され、一目で修復歴ありの車輌であることがわかるようになっています。今回のデータ54台のうち、20台が該当しました。修復歴のある車を1台ずつ、同じ年式・同じグレードで、走行距離の近い修復歴なしの車と突き合わせています。基準はあくまで修復歴車の側です。120,000km走った修復歴車なら、同じく120,000km前後の修復歴なしの車としか比べられないため、走行距離の許容幅はその車の走行距離に応じて取っています。
突き合わせる修復歴なしの車は、条件の合う中でもっとも評価点の高い個体を選んでいます。評価点の低い車を相手にすると、修復歴とは別の理由で安い車と比べることになり、修復歴そのものの影響が見えなくなるためです。
| 世代 | 照合できた台数 | 下落幅の分布 最小〜最大 |
下落幅 中央値 |
むしろ高かった 個体 |
|---|---|---|---|---|
| VAB系 | 0 | 照合できる修復歴車がなく判定できず | — | — |
| GR/GV系 | 7 | 4〜40% | 14% 安い | 0台 |
※GR/GV系・VAB系はそもそもの台数が少ないため、参考にならないことご容赦下さいませ。
同じ条件の車を並べると
走行距離の少ない組み合わせから順に載せています。修復歴なしの側は、同じ年式・同じグレード・近い走行距離という条件の中で、もっとも評価点の高い個体を選びました。
| 世代 | 年式 | グレード | 走行 | 評価 | 落札価格 | 差 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| GR/GV系 | 修復歴なし | 平成19 | STI 4WD | 10.2万km | 3.5 | 119万円 | |
| GR/GV系 | 修復歴あり | 平成20 | STI 4WD | 8.4万km | 修復有 | 93.2万円 | △26.0万円22% |
| GR/GV系 | 修復歴なし | 平成22 | STI 4WD | 9.3万km | 3.5 | 121万円 | |
| GR/GV系 | 修復歴あり | 平成22 | STI 4WD | 8.7万km | 修復有 | 103万円 | △17.6万円15% |
GR/GV系では中央値で14%下がります。7台を照合した結果です。修復歴なしの側が119万円前後で取引される世代なので、この率を実額に直すと17.6万円の開きになるようです。なおVAB系は修復歴車の出品が1台しかなく、条件の揃う修復歴なしの車と突き合わせられませんでした。
ばらつきは大きく、同じ条件でも修復歴車の方が高く落ちる例もあります。骨格の一部を交換しただけの車と、大きく損傷した車が同じ「修復歴あり」で扱われるためです。実際の査定では、どこをどう直したかまで見られると考えておいた方がよいでしょう。
修復歴があるなら、価値が残っているうちに売る方が損失を抑えられます。年式が古くなるほど下落率は小さくなりますが、それは車そのものの値段が下がりきった結果にすぎません。率が縮むのを待つ間に、元の価格の方が先に落ちていくためです。
相場を知ったうえで査定に出す
WRX STIは世代によって相場の性格がまったく違います。掲載しているのは、すべて中古車店どうしの取引で実際についた価格です。
この落札価格は、買取店にとっての仕入れ値です。提示された査定額がここから大きく離れているなら、その理由を聞く根拠になります。複数社に査定させれば、買取店ごとの販路の差がそのまま金額差となって表れるはずです。
あわせて読みたい
WRX STIと比べられることの多い車種です。同じ日に何社かへ査定してもらうときは、この並びも見てから話をすると相場の感覚がつかみやすくなります。
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