オーバーヒートすればどうしたら良いのか。

オーバーヒート後に考えられることなどをまとめてみました。

エンジンはすぐに停止しよう

オーバーヒートしたら、すぐにエンジンは止めましょう。

昔はエンジンキーは切らずに、アイドリングしたままで、水温が落ち着くのを待ちましょう…。なんて言っていましたが、最近の車では、エンジンキーを切ってもオーバーヒートしている場合、自動的に電動ファンを回し水温を下げる機能が付いています。なので、今ではすぐにエンジンを止めたほうが良いケースが多いです。

さらに症状として、昔の車はもともとオーバーヒートに弱く、渋滞にハマっただけでも水温が上昇したりしていた性質を持っていましたが、今の車はそんなすぐ水温の上昇はありません。

ですのでオーバーヒートは自然にすることは少なく、何かしらの原因を伴っているケースが多いのです。

その後エンジンへのダメージは後遺症として残る?

オーバーヒートを起こしたエンジンで考えられるダメージは、ヘッドガスケットが吹き抜けてしまうことにより、圧縮圧力の低下、オイル漏れ、水漏れなどが、後遺症として残ります。

ほかには、エンジン内部の焼き付き(ピストン、シリンダー、メタル)を起こす場合もあります。こうなるとエンジン再始動はできません。

警告灯に注目 ランプの点滅と点灯の違い

水温計が付いていない車は、冷却水の温度が異常になると、メーター内の水温警告灯が赤く点灯、点滅し、オーバーヒートの状態を運転者に知らせています。

点灯

エンジン冷却水の温度が、正常な値より高くなったとき点灯します。(車種によりますが、120℃を超えたとき)完全にオーバーヒートを表わすサインです。

点滅

オーバーヒート、一歩手前のサインです。(車種によりますが、110℃を超えたとき)

症状や原因と対策 直し方は?

走行中に、水温計の針が急上昇して、エンジンルームから白い水蒸気が出てきたら、オーバーヒートの症状です。年式の古い車や輸入車など、もともと冷却性能が不足している車は、夏の暑い時にノロノロ運転をしていると、水温が上がり、オーバーヒートになりやすいです。

オーバーヒートを防ぐには、冷却水の量、漏れ、各パーツに劣化はないか、定期的なメンテナンスが必要です。

冷却水

クーラント液(冷却水)が不足していると、冷却性能が不足し、オーバーヒートの原因になります。冷却水の循環経路は、密閉されており、基本的には減ることはありませんが、長期間使用していると、自然に蒸発して減る場合があります。クーラント液を補充しても減る場合や、オーバーヒートの症状がでる時は、冷却経路の故障が考えられるので、各パーツの点検が必要です。

サーモスタット

サーモスタットが錆びたり劣化して、高温時に閉じっぱなしになると、冷却水の循環が止まり、即オーバーヒートにつながります。暖気後にラジエーターホースが熱くならなかったら、サーモスタットの不良が考えられるので、点検・交換が必要です。価格も1,000円前後からあって、さほど高くありませんから、まずはここから疑ってみるようにしましょう。

ラジエーター

ラジエーターフィン(放熱板)の変形やゴミが詰まっていると冷却性能が下がります。フィンの清掃、修正、または変形が酷い場合は、交換が必要です。

ラジエーターキャップ

ラジエーターキャップには、冷却経路内の圧力を調整するためのスプリングが使われており、このスプリングが劣化すると、きちんと圧力を制御出来なくなるため、オーバーヒートが起きやすくなります。またゴムパッキンを使用しているので、劣化すると冷却水が漏れるので、キャップ周りが濡れているようであれば、要交換です。数百円からせいぜい3,000円も出せば部品はありますし、左に回して外すだけですのですぐに交換できます。

ヘッドガスケット抜け

ヘッドガスケットが抜けると、燃焼室内の高温のガスが直接、冷却経路内に吹き抜けるので、一挙に高温になりオーバーヒートを起こします。リザーブタンクにボコボコと燃焼ガスが吹くようであれば、ヘッドガスケットが抜けている可能が大きいです。

ヘッドガスケットの交換や抜けについてはこちらで解説していますので御覧ください。

→ヘッドガスケット抜けの症状など

エアコン

オーバーヒートを起こすとラジエーターの熱でコンデンサー(エアコンのガスを冷却する装置)を熱してしまい、エアコンの効きが悪くなることがあります。

廃車

一度、オーバーヒートを起こしたエンジンは、内部のシリンダーやシリンダーヘッドが歪んでいる可能性が高く、再使用できる部品は少ないです。特にセンサー類などの電装部品は、熱によるダメージを受けているので、再使用はお勧めできません。

以上の理由より修理する場合は、エンジン交換になり、中古エンジンで20万円くらい、リビルトエンジンで25万円~30万円とかなり高額な修理費用となります。

もし修理する車の価値が、エンジン乗せ換えの費用より落ちる場合であれば、廃車にして買い替えた方が安いとの判断になるでしょう。

参考にしたい乗り換えの基準

もし、修理をするにあたって乗り換えや廃車を検討しているのなら、参考にしたい基準は以下の3点です。

以下の3つを見て判断するといいでしょう。

1新車からの経過年数

まずは新車からの経過年数です。ご自身のお車別に見てみてください。

新車から1~5年経過

乗り換える必要はないどころか新車保証がまだ残っている範囲。なので

まずはディーラー保証を受ける

ようにしましょう。ただし走行距離は10万キロ未満でないと保証対象外となりますので要注意です。

新車から6~7年経過

新車保証は切れますが、まだこの頃は故障箇所も少なく、修理する選択で問題ないことが多いです。なぜなら

よほどの不人気車でない限り車の価値は高い

ことが多ので、修理代がさほど負担にならない場合だけ、修理する方が良いでしょう。

新車から8~10年経過

このあたりの年式から少しずつ判断は難しくなってきます。車の価値はどんどん下がり、

高額な修理代になれば車の価値を追い越してしまう

ことも。この年式あたりの車から、少しずつ判断は難しくなっていきます。

新車から11年以上経過

小学4年生の子どもが、10年経てば成人していることを考えると、経過年数で言えばそろそろいろんな部分が壊れてくる頃…。

今回はこの修理をしたけれど、すぐにまた次が壊れた…。

そんなことも起こりうる年式になっています。さらには13年経過すると、毎年の自動車税が値上がりしてしまうので、よほど愛着があるとか希少車でない限り、

乗り換えも視野に入れて考える

ほうが得策でしょう。

修理をし過ぎてお金をかけてばかりいると、それこそ勿体なくなってしまって、乗り換えのタイミングを失ってしまいますので要注意です。

→車の概算価格を調べてみる

2現在の走行距離数

走行距離数による判断です。今現在、何キロ走っていますか?

~5万キロ未満

新車保証が残っているなら当然ディーラーへ。新車保証が切れた走行距離の少ない車両は、どんな不人気車でも高値で売却されたりする場合が多く、修理代がかからずに格安中古車に乗り換えできたり、次の購入される車両の頭金になったりします。ですので走行距離の少ない車両にお乗りの場合は、選択肢は幅広く持てると覚えておきましょう。

~7万キロ未満

少しずつ修理箇所が増えてくる年式になります。ですがまだこの年式も、修理をしてもいいですし、売却するとしてもまだまだ値段がつく走行距離です。

~10万キロ未満

10万キロになるにつれて、故障箇所はさらに多くなってきます。補機類や周辺部位のみならず、エンジン本体やミッション本体など、とても大きく修理代がかかる部分なども修理の対象となることが多いです。そして車種によってはタイミングベルトの交換時期。チェーンタイプの車では、ウォーターポンプの交換が必要になったりと、そろそろお金の要る時期です。

10万キロ以上

10万キロを超えると、エンジン、ミッションを始め、さまざまな箇所が故障範囲になってきます。中古車で購入されてる場合もそうですが、新車からお乗り場合はこれからの修理はかなりの負担になってくるでしょう。

修理というのは一度やりだすと止まりません。ここも、あそこもと修理するようになると、「この間ここを修理したから」と、もったいなくなってずっと乗り換えできない状態になってしまいます。しっかりと考える必要がありますね。

→車の概算価格を調べてみる

3車の価値と修理代の比較

実は3つの中でいちばん大切なのがこちらです。

まずは修理代と車の価値を確認してから考えるようにしましょう。

修理代が少額で済む場合

修理代と車の価値を確認し、修理代がかなり安価で済みそうな場合は、当然ですが修理をしてしまいましょう。

修理代をディーラーと比較

今までずっと、購入したディーラーに修理も全て任せてきました。ですが今回の修理においては経済的に苦しかったのもあって、ディーラー含めてさまざまなお店と比較するためにこちらで修理代を比較してみました。

すると今まで出していたところに比べて3割も安く、2万円以上浮いてしまって…。

これから何でもそうですが、しっかりと比較しないと損をするんだと実感しました。

車の価値と修理代が変わらない場合

けっこう悩むケースですね…。

ただし、「10万円の車両の価値と10万円の修理代」というケースと、「50万円の車両の価値と50万円の修理代」で悩むのとは、同じ金額であっても異なります。

車の価値は安くても、安価な修理代で済むようなら直す方向で検討し、次の車が買えるような金額の修理代で悩むなら乗り換えする方向での検討をおすすめします。

20万円の車に17万円の修理代

そんなに高く付くことは無いだろうと思っていた修理代がなんと17万円も。しかも3ヶ月後には車検を控えているし、今この商売の景気の中での出費はきつい。そう思いながらも相場を確認するとなんと20万円もついてしまった。

修理箇所を素直に告げたにも関わらず、エンジンが調子悪くても、海外へ輸出されるから問題はないと言われたのには驚きでした。

15年も乗っていたので、修理かスクラップかと迷っていたのですが、気軽に相場を調べただけでこんなに気の持ちようが変わるものだと思いもしませんでした。

修理代が車の価値より高い

修理代がいくらかかるかにもよりますが、修理代が車の価値を超えてしまっているのなら、乗り換えを検討する方がよいでしょう。

もちろん、修理金額と車の価値をしっかりと確認することが大前提で、「おそらくこれくらいだろう」などの自分勝手な判断では大損をしてしまうケースもいくつかありました。

古いからと勝手に判断

まだ7年しか乗っていないからしばらく乗るつもりで修理に出したのが今回の失敗。面倒だったので見積もりも依頼せず、「悪いところは直してくれれば」と言ってしまったがために、あれもこれもと交換されて、結局15万円ほどの修理代に。

その1ヶ月後に妻の妊娠がわかって、乗り換えようとしたら、7年しか乗っていないのに6万円しかつかなかったのにはガックリ…!

あのとき修理せずに、先に車の価値を調べておけば良かったよぉ…。

→車の相場を調べてみるなら

高く売れる車と安い価値の車の違い

15年経って走行距離が15万キロの車と、5年で5万キロしか乗っていないのに価値の全く無い車があったとします。普通で考えると後者の方が高く売れるのですが、高く売れる車と安く売れる車の違いは一体何の違いなのでしょうか?

高く売れる車

以下に挙げている車種は、

  • 10年以上前の車両でも
  • 10万キロ以上走っていても

値段がしっかり付く車ばかりです。あなたのお車はありますか?

トヨタの車
トヨタの車が高い理由

まずはトヨタ。このメーカーの車であれば、まず高値で売れること間違いなしです。

トヨタのほぼ全車種が海外へ輸出

されていき、主にロシアや東南アジアを中心に、後進国などにどんどん流れていきます。

理由はやはり世界のトヨタというネームブランドと耐久性。ランドクルーザーやハイエースなどは100万キロ走ってもまだまだ走るという耐久性から、全世界のユーザーに支持されています。

軽自動車

すべての軽自動車が売れる
軽自動車なら全般に高値で売れます。この軽自動車は貿易にはほとんど出ることはなく、大抵は

国内リユースのため高値

で売れます。今流行りのトールワゴンタイプのものはもちろん、営業車で使うようなバンタイプのものやトラックに至るまで、すべて高値で売れると思ってもらって大丈夫です。

#全メーカーの軽自動車

コンパクトカー

1500CC未満のコンパクト
経済性を求めるユーザーが多いので、この1500cc未満のコンパクトクラスは根強い人気を保っています。

中でもハイブリッドカーは無類の強さ

を誇り、走行距離が20万キロ走っていても普通に値段がつくとも。海外への貿易も積極的に行われていますので、かなりの高値を期待できるでしょう。

#全メーカーのコンパクトカー

ミニバン

国内でも海外も人気です

国内では人気のミニバン。最近では後進国でも広さとゆとりを兼ね備えたミニバンクラスが人気となってきました。
特に排気量が2500cc未満
ミニバンは国内外問わず大人気。維持費も安く、レギュラーガソリン仕様が多いので、再販するにはとても高値のつく車種であると言えますね。
#全メーカーのミニバン
スポーツカー
頭文字Dなどの影響で
人気漫画頭文字Dの影響や、車に楽しさを求めるユーザー層から熱い支持を得て、特にマニュアルトランスミッション(MT)の人気がすごく、かなりの高値を推移しています。
軽自動車のターボのホットモデル、シビックやインテグラなどのライトウェイトスポーツや、シルビアやロードスターなどのFRスポーツ、その他ハンドリングマシンのRX-7など、挙げればキリがないくらい
ホットなスポーツカーはタマ不足

ということもあり、とても高値で推移しています。

#全メーカーのスポーツカー

バンやトラック
働く車は高く売れる!

ハイエースなどのバン、そして小さな軽トラックから大きな11tのトラックまで、働く車は輸出も盛んに行われていることから、とんでもなく高値で売れています。

20万キロの過走行や、外装の凹み、タバコの焦げ跡は当たり前。そんな

程度が悪くてもガンガン売れていく

のはこのジャンルならでは。安定の高値です。

#全メーカーのバン・トラック

以上の車種は現在、とても高値で取引されている車種です。一度価値を調べてみてから修理か乗り換えの判断をするといいですね。

→車の概算価格を調べてみる