MIRAIは、2014年12月に売り出されたトヨタの燃料電池車です。水素と空気中の酸素を反応させて自分で発電しながら走るため、ガソリンも軽油も使わず、排気量という言い方もあてはまりません。初代は2020年12月まで、2代目はそこから現在まで作られており、2代目で後輪駆動に変わって車体も一回り大きくなりました。

このページでは、2026年8月にオートオークションで落札されたMIRAI、合計75台から基準に合うデータを抜粋し、世代とグレードごとに掲載しています。1か月あたりの出品が少ないため、12週分をまとめています。

売却時はもちろん、中古車購入時の参考にしていただければ幸いです。

ご覧いただく際の注意点

掲載価格はすべてオートオークションでの税込み落札価格です。買取店が提示する金額は、ここから陸送費・出品料・利益を差し引いた額、販売店の場合は落札価格に陸送費・出品料・利益を足した額になります。車種と価格帯によりますが、10〜30万円程度変わるのが一般的。落札相場を知っておくと、

提示額がどこまで落札金額に近いか

を判断する目安となります。

また基本的に相場は下がるものです。中には希少車や輸出時期の関係で、上がっていくものもありますが、基本的に古くなるにつれ、緩やかに下がっていきます。

※掲載データは2026年8月時点のものです。

年式から相場を探す

各年式でもっとも流通しているグレードの相場です。走行距離はその年式で最も多く出品されていたゾーンを中心に抜粋しています。

年式 世代 グレード 台数 中心となる
平均走行距離
平均落札価格 価格帯
最安〜最高
残価率
令和52023年 2代目 G 1 1.81.8万km 160万円 160160万円 22%
令和32021年 2代目 Z エグゼクティブパッケージ 2 6.16.1万km 128万円 119136万円 16%
令和32021年 2代目 Z 2 0.30.3万km 227万円 206247万円 29%
令和22020年 初代 ベースグレード 1 66万km 44.2万円 44.244.2万円 6%
令和12019年 初代 ベースグレード 2 6.47万km 34.7万円 23.645.8万円 5%
平成302018年 初代 ベースグレード 1 10.910.9万km 23.9万円 23.923.9万円 3%
平成292017年 初代 ベースグレード 4 6.26.5万km 28.3万円 26.031.0万円 4%
平成282016年 初代 ベースグレード 7 7.910.2万km 25.5万円 16.533.2万円 4%
平成272015年 初代 ベースグレード 2 6.89.8万km 38.2万円 27.648.8万円 5%

表の読み方

年式ごとに、出品された走行距離の中央付近値を掲載しています。たとえば平成29年式の初代であれば、出品13台の中央値は約64,000kmでした。

燃料電池車なので、グレード名に排気量は付いていません。駆動方式も初代が前輪、2代目が後輪の1種類ずつしかないため、表には書いていません。

初代はグレードの設定が1つだけで、カタログ上の名前がありません。表では「ベースグレード」としてまとめています。

両世代とも、その年式当時の新車価格が1つに決まるため残価率を載せています。数字がかなり低く出ますが、集計や計算の誤りではありません。理由は各世代の説明でふれています。

また車輌の走行距離における掲載基準は、その中央値から上下20%以内の車輌に限定。中央値が50,000kmであれば40,000〜60,000kmの範囲で掲載し、できるだけ走行距離条件を揃えるようにしています。調べた総数より台数が少ないのは、掲載基準を厳選しているためで、できるだけ標準的な走行距離帯を掲載し、照合しやすくさせています。

評価点はオートオークションの外装評価です。数字が大きいほど状態が良く、開催会場によって基準は変わりますが、5〜6点なら新車に近い、4.5点はかなり小さなキズ、4点はそのままお店に展示できるくらいのレベル、3.5点は少し外装の補修が必要な状態を指しています。「修復有」は骨格部分を修復した履歴がある車輌です。

2代目MIRAI
※2020.12〜

15台68.6247万円

型式:JPD20。後輪駆動になり、水素タンクが2本から3本に増えています。グレードはGとZが基本で、Zには内装を仕上げたエグゼクティブパッケージ、さらに高速道路での手放し運転に対応するアドバンスドドライブが用意されました。

一部改良は年の途中に入っているため、前期と後期には分けず年式順に並べています。

その年式当時の新車価格が1つに決まるため、残価率を載せています。

今回の集計では15台が該当し、走行距離の中央値は3.5万kmでした。金額は68.6万円から247万円、平均145万円という水準にあります。

※価格は全て税込表示です

G

年式 台数 実際に出品された
平均走行距離
価格の分布
最安〜最高
平均落札価格 残価率
令和5
2023年
1 1.81.8万km  160160万円 160万円 22%

Z エグゼクティブパッケージ

年式 台数 実際に出品された
平均走行距離
価格の分布
最安〜最高
平均落札価格 残価率
令和3
2021年
2 6.16.1万km  119136万円 128万円 16%

Z

年式 台数 実際に出品された
平均走行距離
価格の分布
最安〜最高
平均落札価格 残価率
令和3
2021年
2 0.30.3万km  206247万円 227万円 29%

その他のグレード

グレード 台数 走行距離
最小〜最大
価格の分布
最安〜最高
平均落札価格
Z エグゼクティブパッケージ アドバンスドドライブ 2 314.5万km  68.6190万円 129万円

実際の落札実例

年式 グレード 走行 評価 落札価格
最高値 令和3 Z 0.3万km パール 5 247万円
上位 令和3 Z エグゼクティブパッケージ 1万km ブラック 4 170万円
中央 令和3 Z エグゼクティブパッケージ 9.7万km その他 3.5 135万円
下位 令和3 Z エグゼクティブパッケージ 6.1万km ブラック 4.5 119万円
最安値 令和3 Z エグゼクティブパッケージ アドバンスドドライブ 14.5万km ブルー 4.0 68.6万円

相場の寸評

まず走行距離の階段を見てください。5,000km未満が2台で227万円、5,000〜20,000kmが3台で154万円、20,000〜50,000kmが3台で163万円、50,000〜100,000kmが4台で129万円、100,000〜150,000kmが3台で83.9万円。5,000km未満と100,000〜150,000kmでは143万円、割合にして63%の開きがありました。水素を充てんできる場所が限られる車なので、距離を走った個体は使われ方も限られていたはずですが、金額の落ち方は普通の車より急です。

年式別の平均は、この距離の差に引きずられます。令和4年式が2台で108万円、令和3年式が12台で150万円となっており、新しいはずの令和4年式が令和3年式を下回りました。これは令和4年式2台の走行距離の中央値が8.2万kmで、令和3年式の3.2万kmより長いためです。年式の新しさより、どれだけ走ったかが先に効いているとお考えください。

グレードの平均も、そのままでは順位として読めません。Zが3台で212万円、Zエグゼクティブパッケージが5台で131万円、Gが5台で125万円。ただしZの3台は走行距離の中央値が0.3万kmしかなく、6.1万kmのZエグゼクティブパッケージとは条件が違います。ほとんど走っていない個体がZに偏っていた、というのが実際のところです。

残価率で見ると、この車の値動きがはっきりします。Zは令和3年式が29%、Zエグゼクティブパッケージは令和3年式が16%、Gは令和5年式が22%でした。令和3年式の新車価格はZが790万円、Zエグゼクティブパッケージが805万円、Gが710万円ですから、登録から5年で新車価格の2割から3割という水準まで下がった計算になります。同じ価格帯のガソリン車やハイブリッド車では見かけない下がり方で、水素を入れられる場所の少なさが買い手を絞っているためと考えられます。ただし今回の落札台数は令和3年式が2台と少なく、明言はできません。傾向としてご覧ください。

外装の評価点も金額を動かしています。評価点4.5点以上の8台が168万円、4点の5台が120万円という並びでした。ただし走行距離の中央値が2.6万kmと6.1万kmで違うため、差のすべてが状態によるものではありません。今回は落札台数が少ないので明言はできませんが、新しい車ほど傷の有無が金額に響きやすいことは確かです。

この世代の15台は68.6万円から247万円まで開いていました。取り扱えるお店が限られる車なので、査定額の読みもお店によって大きく分かれます。1社だけの提示で決めてしまうと、実際の相場と離れた金額になりかねません。

*

初代MIRAI
※2014.12〜2020.12

46台7.549.5万円

型式:JPD10。前輪駆動で、グレードの設定は1つだけでした。新車価格は発売から平成30年式までが723.6万円、最後の令和2年式で741.0万円という一本値でした。

一部改良はありましたが名前の変わるグレードが無いため、年式順に並べています。

その年式当時の新車価格が1つに決まるため、残価率を載せています。

今回の集計では46台が該当し、走行距離の中央値は6.9万kmでした。金額は7.5万円から49.5万円、平均28.3万円という水準にあります。

※価格は全て税込表示です

ベースグレード

年式 台数 実際に出品された
平均走行距離
価格の分布
最安〜最高
平均落札価格 残価率
令和2
2020年
1 66万km  44.244.2万円 44.2万円 6%
令和1
2019年
2 6.47万km  23.645.8万円 34.7万円 5%
平成30
2018年
1 10.910.9万km  23.923.9万円 23.9万円 3%
平成29
2017年
4 6.26.5万km  26.031.0万円 28.3万円 4%
平成28
2016年
7 7.910.2万km  16.533.2万円 25.5万円 4%
平成27
2015年
2 6.89.8万km  27.648.8万円 38.2万円 5%

実際の落札実例

年式 グレード 走行 評価 落札価格
最高値 平成28 ベースグレード 3.6万km その他 4.5 49.5万円
上位 令和1 ベースグレード 7.9万km その他 4.5 33.5万円
中央 平成27 ベースグレード 6.8万km パール 4.5 27.6万円
下位 平成28 ベースグレード 7.9万km ブルー 4.0 18.3万円
最安値 平成27 ベースグレード 14.6万km ブラック 4 7.5万円

相場の寸評

この世代でまずお伝えしたいのは、金額の幅そのものが狭いことです。46台の落札額は7.5万円から49.5万円に収まり、平均は28.3万円でした。新車価格は723.6万円ですから、いちばん高く落札された1台でもその1割に届いていません。年式やグレードで大きく分かれる車ではなく、まとまった帯の中で数万円ずつ違う、という見方になります。

年式は効きますが、動く金額は小さなものです。令和1年式が5台で38.3万円、平成30年式が5台で29.1万円、平成29年式が13台で27.9万円、平成28年式が16台で25.3万円、平成27年式が6台で25.5万円。平成27年式と令和1年式の差は12.8万円で、割合では50%あるものの、実額にすると1年待っても数万円の話にしかなりません。ただし今回の落札台数は令和1年式が2台、平成30年式が1台、平成29年式が4台、平成27年式が2台と少なく、明言はできません。傾向としてご覧ください。

走行距離も同じ形です。5,000〜20,000kmが4台で41.5万円、20,000〜50,000kmが9台で34.3万円、50,000〜100,000kmが23台で27.1万円、100,000〜150,000kmが6台で22.1万円。5,000〜20,000kmと100,000〜150,000kmでは19.4万円下がりました。燃料電池の心臓部が交換の効かない部品であることを考えると、距離が伸びた個体の値が付きにくいのは自然な結果でしょう。

いちばん効いているのは外装の評価点でした。評価点4.5点以上の9台が36.0万円、4点の24台が28.3万円、3.5点以下の13台が22.9万円。このうち4.5点以上と4点は走行距離の中央値が6.5万kmと6.3万kmでほぼ同じですから、この7.7万円の差は状態そのものによる差です。平均28.3万円の車で7.7万円は、割合にすると小さくありません。

残価率は次のとおりです。令和2年式が6%、令和1年式が5%、平成30年式が3%、平成29年式が4%、平成28年式が4%、平成27年式が5%。新車で700万円を超えた車が、6年から11年でこの水準になっています。国からの補助金が新車購入時に付いていたため、実際に支払った額との差はこれより小さくなりますが、それでも戻ってくる割合は低いといえます。背景には、水素を充てんできる場所が今も限られていることと、燃料電池を積んだ車を扱えるお店の少なさがあるでしょう。ただし今回の落札台数は令和2年式が1台、令和1年式が2台、平成30年式が1台、平成29年式が4台、平成27年式が2台と少なく、明言はできません。傾向としてご覧ください。

今回の75台のうち8台が修復歴ありでした。この世代は金額そのものが低いため、査定額の数万円の違いが割合としては大きく響きます。まとまった台数を扱っているお店とそうでないお店で提示額が変わりやすいので、複数のお店に見てもらうことをおすすめします。

*

修復歴があるといくら下がるか

8台初代で34%安い

オートオークションでは、骨格部分に修復歴のある車は評価点が「R」と記載され、一目で修復歴ありの車輌であることがわかるようになっています。今回のデータ75台のうち、8台が該当しました。修復歴のある車を1台ずつ、同じ年式・同じグレードで、走行距離の近い修復歴なしの車と突き合わせています。基準はあくまで修復歴車の側です。120,000km走った修復歴車なら、同じく120,000km前後の修復歴なしの車としか比べられないため、走行距離の許容幅はその車の走行距離に応じて取っています。

突き合わせる修復歴なしの車は、条件の合う中でもっとも評価点の高い個体を選んでいます。評価点の低い車を相手にすると、修復歴とは別の理由で安い車と比べることになり、修復歴そのものの影響が見えなくなるためです。

世代 照合できた台数 下落幅の分布
最小〜最大
下落幅
中央値
むしろ高かった
個体
2代目 1 照合できる修復歴車がなく判定できず
初代 7 -1360% 34% 安い 1台

※初代・2代目はそもそもの台数が少ないため、参考にならないことご容赦下さいませ。

同じ条件の車を並べると

走行距離の少ない組み合わせから順に載せています。修復歴なしの側は、同じ年式・同じグレード・近い走行距離という条件の中で、もっとも評価点の高い個体を選びました。

世代 年式 グレード 走行 評価 落札価格
初代 修復歴なし 平成28 ベースグレード 3.6万km 4.5 49.5万円
初代 修復歴あり 平成28 ベースグレード 3.5万km 修復有 20.9万円 △28.6万円58%
初代 修復歴なし 令和1 ベースグレード 2.3万km 4.0 42.7万円
初代 修復歴あり 令和1 ベースグレード 4.1万km 修復有 37.4万円 △5.3万円12%

初代では中央値で34%下がります。7台を照合した結果です。修復歴なしの側が32.9万円前後で取引される世代なので、この率を実額に直すと8.5万円の開きになるようです。

ばらつきは大きく、同じ条件でも修復歴車の方が高く落ちる例もあります。骨格の一部を交換しただけの車と、大きく損傷した車が同じ「修復歴あり」で扱われるためです。実際の査定では、どこをどう直したかまで見られると考えておいた方がよいでしょう。

修復歴があるなら、価値が残っているうちに売る方が損失を抑えられます。年式が古くなるほど下落率は小さくなりますが、それは車そのものの値段が下がりきった結果にすぎません。率が縮むのを待つ間に、元の価格の方が先に落ちていくためです。

相場を知ったうえで査定に出す

MIRAIは世代によって相場の性格がまったく違います。掲載しているのは、すべて中古車店どうしの取引で実際についた価格です。

この落札価格は、買取店にとっての仕入れ値です。提示された査定額がここから大きく離れているなら、その理由を聞く根拠になります。複数社に査定させれば、買取店ごとの販路の差がそのまま金額差となって表れるはずです。

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