GRヤリスは、2020年9月に売り出されたトヨタの3ドアのスポーツカーです。見た目こそヤリスですが、床も屋根も後ろ足まわりも専用の設計で、世界ラリー選手権に出るために作られた成り立ちを持っています。1.6Lターボと四輪駆動を積むRZ系・RCと、1.5Lで前輪駆動のRSがあり、両者はまったく別の相場を作っています。

このページでは、2026年7月にオートオークションで落札されたGRヤリス、合計53台から基準に合うデータを抜粋し、世代とグレードごとに掲載しています。1か月あたりの出品が少ないため、12週分をまとめています。同じ名前でも通常のヤリス、ヤリスクロスは別のページです。

売却時はもちろん、中古車購入時の参考にしていただければ幸いです。

ご覧いただく際の注意点

掲載価格はすべてオートオークションでの税込み落札価格です。買取店が提示する金額は、ここから陸送費・出品料・利益を差し引いた額、販売店の場合は落札価格に陸送費・出品料・利益を足した額になります。車種と価格帯によりますが、10〜30万円程度変わるのが一般的。落札相場を知っておくと、

提示額がどこまで落札金額に近いか

を判断する目安となります。

また基本的に相場は下がるものです。中には希少車や輸出時期の関係で、上がっていくものもありますが、基本的に古くなるにつれ、緩やかに下がっていきます。

※掲載データは2026年7月時点のものです。

年式から相場を探す

各年式でもっとも流通しているグレードの相場です。走行距離はその年式で最も多く出品されていたゾーンを中心に抜粋しています。

年式 世代 グレード 台数 中心となる
平均走行距離
平均落札価格 価格帯
最安〜最高
残価率
令和72025年 初代 RZ ハイパフォーマンス 4WD 6MT 2 1.71.9万km 422万円 419426万円 85%
令和52023年 初代 RZ ハイパフォーマンス 4WD 6MT 1 11万km 362万円 362362万円 79%
令和42022年 初代 RZ ハイパフォーマンス 4WD 6MT 2 2.13.1万km 364万円 352376万円 80%
令和32021年 初代 RZ ハイパフォーマンス 4WD 6MT 4 3.94.6万km 325万円 309345万円 71%
令和22020年 初代 RZ ハイパフォーマンス 4WD 6MT 1 3.83.8万km 306万円 306306万円 67%
令和62024年 初代 RS AT 1 1.41.4万km 256万円 256256万円 97%
令和42022年 初代 RS AT 1 2.52.5万km 229万円 229229万円 86%
令和32021年 初代 RS AT 2 3.33.3万km 251万円 248255万円 95%
令和22020年 初代 RS AT 1 1.91.9万km 218万円 218218万円 82%
令和72025年 初代 RZ 4WD 6MT 1 00万km 405万円 405405万円 90%
令和62024年 初代 RZ 4WD 6MT 1 1.41.4万km 357万円 357357万円 80%
令和52023年 初代 RZ 4WD 6MT 1 1.71.7万km 353万円 353353万円 89%
令和42022年 初代 RZ 4WD 6MT 1 1.71.7万km 321万円 321321万円 81%
令和32021年 初代 RZ 4WD 6MT 1 4.54.5万km 303万円 303303万円 76%
令和42022年 初代 RC 4WD 6MT 1 4.74.7万km 270万円 270270万円 82%
令和32021年 初代 RC 4WD 6MT 2 10.610.6万km 207万円 203211万円 63%

表の読み方

年式ごとに、出品された走行距離の中央付近値を掲載しています。たとえば令和3年式のRZハイパフォーマンスであれば、出品11台の中央値は約42,000kmでした。

グレード名の後ろの「4WD」は1.6Lターボの車、付いていない行が1.5LのRSです。RSは前輪駆動しかないため、駆動方式を書いていません。

末尾の「6MT」「AT」はミッションの違いです。2024年4月の改良で8速ATが加わり、同じグレードでも新車価格が35万円違うため、行を分けています。

ファーストエディションやモリゾウセレクションといった特別仕様車は、もとになったグレードにまとめています。新車価格が素のグレードと同じだったため、まとめても残価率は変わりません。

また車輌の走行距離における掲載基準は、その中央値から上下20%以内の車輌に限定。中央値が50,000kmであれば40,000〜60,000kmの範囲で掲載し、できるだけ走行距離条件を揃えるようにしています。調べた総数より台数が少ないのは、掲載基準を厳選しているためで、できるだけ標準的な走行距離帯を掲載し、照合しやすくさせています。

評価点はオートオークションの外装評価です。数字が大きいほど状態が良く、開催会場によって基準は変わりますが、5〜6点なら新車に近い、4.5点はかなり小さなキズ、4点はそのままお店に展示できるくらいのレベル、3.5点は少し外装の補修が必要な状態を指しています。「修復有」は骨格部分を修復した履歴がある車輌です。

初代GRヤリス
※2020.9〜

48台193492万円

型式:GXPA16/MXPA12。GXPA16が1.6Lターボと四輪駆動、MXPA12が1.5Lと前輪駆動です。どちらもGRヤリス専用の型式なので、通常のヤリスは混ざりません。

2024年4月に大きな改良が入り、出力の引き上げと8速ATの追加がありました。改良は年の途中のため、前期と後期には分けず年式順に並べています。

その年式当時の新車価格が1つに決まるため、残価率を載せています。

今回の集計では48台が該当し、走行距離の中央値は2.3万kmでした。金額は193万円から492万円、平均329万円という水準にあります。

※価格は全て税込表示です

RZ ハイパフォーマンス 4WD 6MT

年式 台数 実際に出品された
平均走行距離
価格の分布
最安〜最高
平均落札価格 残価率
令和7
2025年
2 1.71.9万km  419426万円 422万円 85%
令和5
2023年
1 11万km  362362万円 362万円 79%
令和4
2022年
2 2.13.1万km  352376万円 364万円 80%
令和3
2021年
4 3.94.6万km  309345万円 325万円 71%
令和2
2020年
1 3.83.8万km  306306万円 306万円 67%

RS AT

年式 台数 実際に出品された
平均走行距離
価格の分布
最安〜最高
平均落札価格 残価率
令和6
2024年
1 1.41.4万km  256256万円 256万円 97%
令和4
2022年
1 2.52.5万km  229229万円 229万円 86%
令和3
2021年
2 3.33.3万km  248255万円 251万円 95%
令和2
2020年
1 1.91.9万km  218218万円 218万円 82%

RZ 4WD 6MT

年式 台数 実際に出品された
平均走行距離
価格の分布
最安〜最高
平均落札価格 残価率
令和7
2025年
1 00万km  405405万円 405万円 90%
令和6
2024年
1 1.41.4万km  357357万円 357万円 80%
令和5
2023年
1 1.71.7万km  353353万円 353万円 89%
令和4
2022年
1 1.71.7万km  321321万円 321万円 81%
令和3
2021年
1 4.54.5万km  303303万円 303万円 76%

RC 4WD 6MT

年式 台数 実際に出品された
平均走行距離
価格の分布
最安〜最高
平均落札価格 残価率
令和4
2022年
1 4.74.7万km  270270万円 270万円 82%
令和3
2021年
2 10.610.6万km  203211万円 207万円 63%

その他のグレード

グレード 台数 走行距離
最小〜最大
価格の分布
最安〜最高
平均落札価格
RZ ハイパフォーマンス 4WD AT 3 02.5万km  460492万円 475万円
RZ 4WD AT 2 00.7万km  397409万円 403万円
RC 4WD AT 1 2.62.6万km  344344万円 344万円

実際の落札実例

年式 グレード 走行 評価 落札価格
最高値 令和7 RZ ハイパフォーマンス 4WD AT 0万km パール 6.0 492万円
上位 令和4 RZ ハイパフォーマンス 4WD 6MT 2.1万km パール 5 376万円
中央 令和3 RZ ハイパフォーマンス 4WD 6MT 3.9万km レッド 4 336万円
下位 令和3 RZ ハイパフォーマンス 4WD 6MT 9.6万km レッド 4.5 260万円
最安値 令和3 RS AT 6.1万km パール 4.5 193万円

相場の寸評

走行距離は素直に効いています。5,000km未満が5台で420万円、5,000〜20,000kmが16台で357万円、20,000〜50,000kmが19台で320万円、50,000〜100,000kmが5台で254万円、100,000〜150,000kmが3台で215万円。5,000km未満と100,000〜150,000kmでは205万円、割合にして49%の開きがありました。台数のいちばん多いRZハイパフォーマンスの6MTだけで見ても、20,000km未満が9台で406万円、20,000〜50,000kmが11台で334万円、50,000km以上が4台で266万円と同じ形です。サーキットで使われることの多い車ですが、距離が伸びた個体はやはり金額が落ちます。

年式のほうも、おおむね新しい順に並んでいます。令和7年式が8台で421万円、令和6年式が6台で402万円、令和4年式が9台で305万円、令和3年式が19台で283万円、令和2年式が4台で294万円。令和2年式と令和7年式では127万円違います。令和2年式が1つ新しい年式を上回っているのは、この年の出品の多くが発売時のファーストエディションだったためです。ただし新しい年式ほど走行距離も短いため、この差のすべてが年式によるものではありません。令和7年式8台の走行距離の中央値は1.1万km、令和2年式4台は3.3万kmでした。

1.6Lターボと1.5Lは、同じ名前でも別の車として扱われています。RZハイパフォーマンスの6MTが24台で350万円、RZの6MTが5台で348万円、RCの6MTが4台で240万円、1.5LのRSが9台で236万円。令和3年式の新車価格はRZハイパフォーマンスが456万円、RZが396万円、RCが330万円、RSが265万円ですから、中古の並びは新車価格の並びとほぼ重なります。

この車でいちばん目を引くのは、残価率の高さです。RZハイパフォーマンスの6MTは令和7年式が85%、令和5年式が79%、令和4年式が80%、令和3年式が71%、令和2年式が67%。RZの6MTは令和7年式が90%、令和6年式が80%、令和5年式が89%、令和4年式が81%、令和3年式が76%、RCの6MTは令和4年式が82%、令和3年式が63%でした。6年落ちの令和2年式でも67%が残っており、普通の車が半値を切る年数を過ぎても、新車価格の7割前後で取り引きされています。ただし今回の落札台数は令和7年式が2台、令和5年式が1台、令和4年式が2台、令和3年式が4台、令和2年式が1台と少なく、明言はできません。傾向としてご覧ください。

意外なのは、いちばん安いRSの残価率がむしろ高いことです。令和6年式が97%、令和4年式が86%、令和3年式が95%、令和2年式が82%という水準で、新車265万円に対して落札額の平均は236万円でした。1.5Lで前輪駆動という中身はGRヤリスの中では控えめですが、2024年4月の改良で姿を消しており、新車で買えなくなったことが効いていると考えられます。ただし今回の落札台数は令和6年式が1台、令和4年式が1台、令和3年式が2台、令和2年式が1台と少なく、明言はできません。傾向としてご覧ください。

2024年4月に加わった8速ATについても触れておきます。今回の集計では1.6Lターボのうち6MTが33台、8速ATが6台で、ATの走行距離の中央値は0.8万kmと、6MTの2.7万kmよりかなり短いものでした。出た時期が新しいぶん、走っていない個体しか出品されていません。条件を揃えた比較ができる台数ではないため、どちらが高いかはここでは申し上げられません。新車価格は令和7年式でATが533万円、6MTが498万円という関係にあります。

外装の評価点は、この価格帯らしく効いています。評価点4.5点以上の41台が337万円、4点の6台が266万円。ただし走行距離の中央値が2.0万kmと7.6万kmで大きく違うため、この差は状態だけを映したものではありません。今回は落札台数が少ないので明言はできませんが、手を入れた形跡が残る車ほど買い手が絞られる傾向はあります。

今回の53台のうち4台が修復歴ありでした。この世代の48台の落札額は、193万円から492万円まで開いています。グレードと走行距離で倍以上の差が付く車ですから、お店によって値付けの読みが分かれやすくなります。複数のお店に見てもらう価値は大きいでしょう。

*

修復歴があるといくら下がるか

4台

オートオークションでは、骨格部分に修復歴のある車は評価点が「R」と記載され、一目で修復歴ありの車輌であることがわかるようになっています。今回のデータ53台のうち、4台が該当しました。修復歴のある車を1台ずつ、同じ年式・同じグレードで、走行距離の近い修復歴なしの車と突き合わせています。基準はあくまで修復歴車の側です。120,000km走った修復歴車なら、同じく120,000km前後の修復歴なしの車としか比べられないため、走行距離の許容幅はその車の走行距離に応じて取っています。

突き合わせる修復歴なしの車は、条件の合う中でもっとも評価点の高い個体を選んでいます。評価点の低い車を相手にすると、修復歴とは別の理由で安い車と比べることになり、修復歴そのものの影響が見えなくなるためです。

世代 照合できた台数 下落幅の分布
最小〜最大
下落幅
中央値
むしろ高かった
個体
初代 1 照合できる修復歴車がなく判定できず

※初代はそもそもの台数が少ないため、参考にならないことご容赦下さいませ。

ばらつきは大きく、同じ条件でも修復歴車の方が高く落ちる例もあります。骨格の一部を交換しただけの車と、大きく損傷した車が同じ「修復歴あり」で扱われるためです。実際の査定では、どこをどう直したかまで見られると考えておいた方がよいでしょう。

修復歴があるなら、価値が残っているうちに売る方が損失を抑えられます。年式が古くなるほど下落率は小さくなりますが、それは車そのものの値段が下がりきった結果にすぎません。率が縮むのを待つ間に、元の価格の方が先に落ちていくためです。

相場を知ったうえで査定に出す

GRヤリスは世代が1つしかありませんが、グレードと年式で相場ははっきり分かれます。走行距離は素直に効き、1.6Lターボの4WDと1.5LのFFではまったく別の相場になります。掲載しているのは、すべて中古車店どうしの取引で実際についた価格です。

この落札価格は、買取店にとっての仕入れ値です。提示された査定額がここから大きく離れているなら、その理由を聞く根拠になります。複数社に査定させれば、買取店ごとの販路の差がそのまま金額差となって表れるはずです。

*