アルトワークスは、素のアルトにターボエンジンと専用の足回り、レカロのシートを組み合わせた軽スポーツです。2015年12月に15年ぶりの復活を果たし、2021年12月に生産を終えました。いま中古で出回っているのは、この復活したHA36S系がほとんどです。

このページでは、2026年8月にオートオークションで落札されたアルトワークス、合計106台から基準に合うデータを抜粋し、世代とグレードごとに掲載しています。素のアルト、アルトラパンは車名が別なので含めていません。そちらの相場はアルトの買取相場をご覧ください。1988年から2000年までの旧型アルトワークスは15台しかまとまらなかったため、今回は載せていません。

売却時はもちろん、中古車購入時の参考にしていただければ幸いです。

ご覧いただく際の注意点

掲載価格はすべてオートオークションでの税込み落札価格です。買取店が提示する金額は、ここから陸送費・出品料・利益を差し引いた額、販売店の場合は落札価格に陸送費・出品料・利益を足した額になります。車種と価格帯によりますが、10〜30万円程度変わるのが一般的。落札相場を知っておくと、

提示額がどこまで落札金額に近いか

を判断する目安となります。

また基本的に相場は下がるものです。中には希少車や輸出時期の関係で、上がっていくものもありますが、基本的に古くなるにつれ、緩やかに下がっていきます。

※掲載データは2026年8月時点のものです。

年式から相場を探す

各年式でもっとも流通しているグレードの相場です。走行距離はその年式で最も多く出品されていたゾーンを中心に抜粋しています。

年式 世代 グレード 台数 中心となる
平均走行距離
平均落札価格 価格帯
最安〜最高
残価率
令和32021年 HA36S系 ベースグレード 5MT 2 2.12.2万km 170万円 168173万円 111%
令和22020年 HA36S系 ベースグレード 5MT 3 6.18万km 107万円 88.9135万円 70%
令和12019年 HA36S系 ベースグレード 5MT 2 33万km 157万円 154159万円 104%
平成302018年 HA36S系 ベースグレード 5MT 2 6.97.6万km 95.4万円 74.9116万円 63%
平成292017年 HA36S系 ベースグレード 5MT 6 8.510.9万km 82.4万円 62.493.3万円 55%
平成282016年 HA36S系 ベースグレード 5MT 4 8.29.7万km 93.3万円 86.5107万円 62%
令和12019年 HA36S系 ベースグレード AT 2 8.28.4万km 63.5万円 51.675.5万円 41%
平成282016年 HA36S系 ベースグレード AT 5 11.514万km 51.9万円 38.871.5万円 34%
平成282016年 HA36S系 ベースグレード 4WD 5MT 3 12.915.3万km 47.2万円 34.664.3万円 29%
令和12019年 HA36S系 ベースグレード 4WD AT 3 10.410.4万km 45.2万円 36.660.7万円 27%
平成282016年 HA36S系 ベースグレード 4WD AT 2 1616万km 37.0万円 31.442.6万円 23%

表の読み方

年式ごとに、出品された走行距離の中央付近値を掲載しています。たとえば平成29年式のベースグレード 5MTであれば、出品16台の中央値は約99,000kmでした。

HA36S系のカタログにはグレードが1つしかありません。そのかわり、5速マニュアルと5速AGS(2ペダルの自動変速)、前輪駆動と四輪駆動で新車価格が違います。この2つを表示名の末尾に付けて分けました。表の「AT」がAGSです。

ミッションは出品名に書かれません。オークション側のシフト欄から読み取っています。駆動も型式では分からないので、出品名に「4WD」と書かれた行にだけ「4WD」を付けています。書かれていない行が前輪駆動だとは限らないので、四輪駆動の行は「少なくともこれだけある」という読み方をしてください。

出品名の「ヒョウジュン」「ターボ」「ワークス」「オーディオレス」はいずれもカタログのグレード名ではないので、すべてベースグレードに畳んでいます。

新車価格に対する落札額の割合(残価率)は掲載しています。2021年12月に作られなくなっていますが、いちばん新しい年式でも5年落ちだからです。

また車輌の走行距離における掲載基準は、その中央値から上下20%以内の車輌に限定。中央値が50,000kmであれば40,000〜60,000kmの範囲で掲載し、できるだけ走行距離条件を揃えるようにしています。調べた総数より台数が少ないのは、掲載基準を厳選しているためで、できるだけ標準的な走行距離帯を掲載し、照合しやすくさせています。

評価点はオートオークションの外装評価です。数字が大きいほど状態が良く、開催会場によって基準は変わりますが、5〜6点なら新車に近い、4.5点はかなり小さなキズ、4点はそのままお店に展示できるくらいのレベル、3.5点は少し外装の補修が必要な状態を指しています。「修復有」は骨格部分を修復した履歴がある車輌です。

HA36S系アルトワークス
※2015.12〜2021.12

87台24.8180万円

型式:HA36S。660ccターボ、5速マニュアルまたは5速AGS、前輪駆動または四輪駆動。カタログのグレードは1つだけです。

今回該当したのは106台。そのうち15台(14%)が修復歴ありでした。軽自動車としては修復歴の割合が高めです。走らせて楽しむ車なので、事故を経験した個体が増えます。修復歴のある車は表から外し、ページの終わりに別途まとめています。

掲載対象87台のうち64台(74%)が5速マニュアルでした。この車を買う人はマニュアルを選びます。

※価格は全て税込表示です

ベースグレード 5MT

年式 台数 実際に出品された
平均走行距離
価格の分布
最安〜最高
平均落札価格 残価率
令和3
2021年
2 2.12.2万km  168173万円 170万円 111%
令和2
2020年
3 6.18万km  88.9135万円 107万円 70%
令和1
2019年
2 33万km  154159万円 157万円 104%
平成30
2018年
2 6.97.6万km  74.9116万円 95.4万円 63%
平成29
2017年
6 8.510.9万km  62.493.3万円 82.4万円 55%
平成28
2016年
4 8.29.7万km  86.5107万円 93.3万円 62%
平成27
2015年
1 1313万km  55.455.4万円 55.4万円 37%

ベースグレード AT

年式 台数 実際に出品された
平均走行距離
価格の分布
最安〜最高
平均落札価格 残価率
令和1
2019年
2 8.28.4万km  51.675.5万円 63.5万円 41%
平成29
2017年
1 14.914.9万km  28.328.3万円 28.3万円 19%
平成28
2016年
5 11.514万km  38.871.5万円 51.9万円 34%
平成27
2015年
1 33万km  113113万円 113万円 75%

ベースグレード 4WD 5MT

年式 台数 実際に出品された
平均走行距離
価格の分布
最安〜最高
平均落札価格 残価率
令和2
2020年
1 9.79.7万km  88.088.0万円 88.0万円 53%
平成29
2017年
1 44万km  152152万円 152万円 94%
平成28
2016年
3 12.915.3万km  34.664.3万円 47.2万円 29%

ベースグレード 4WD AT

年式 台数 実際に出品された
平均走行距離
価格の分布
最安〜最高
平均落札価格 残価率
令和3
2021年
1 3.63.6万km  104104万円 104万円 62%
令和1
2019年
3 10.410.4万km  36.660.7万円 45.2万円 27%
平成29
2017年
1 10.210.2万km  46.546.5万円 46.5万円 29%
平成28
2016年
2 1616万km  31.442.6万円 37.0万円 23%

実際の落札実例

年式 グレード 走行 評価 落札価格
最高値 令和1 ベースグレード 4WD AT 1.8万km ブルー 4.5 180万円
上位 平成29 ベースグレード 5MT 4.2万km パール 4.5 130万円
中央 平成28 ベースグレード 5MT 9.7万km パール 4.5 88.7万円
下位 令和1 ベースグレード 5MT 9.1万km ホワイト 4 60.5万円
最安値 平成29 ベースグレード 4WD 5MT 22.9万km パール 3.0 24.8万円

相場の寸評

5速マニュアルの方がはっきり高く売れます。ベースグレード 5MTはベースグレード ATと比べて令和1年式では平均93.2万円高く、平成28年式では平均41.4万円高くなりました。比べられた2通りすべてで上に来ています。新車価格では5速マニュアルの方が3.8万円安い設定でした。新車ではこの程度の差しかなかったのに、中古では大きく開きます。アルトワークスは走らせるために買われる車で、マニュアルでなければ意味がないと考える買い手が多いためです。86/GR86、BRZ、GRヤリスでも同じ形が出ています。なお掲載した車の走行距離は、ベースグレード 5MTが中央値85,000km、ベースグレード ATが119,000kmです。ベースグレード ATの側が34,000km多く走っているので、差額のすべてがミッションの違いによるものではありません。ただし今回の落札台数は令和1年式が2台、平成28年式が4台と少なく、明言はできません。傾向としてご覧ください。

年式も効きます。令和3年式が159万円(8台)、令和2年式が114万円(7台)、令和1年式が97.6万円(11台)、平成30年式が105万円(6台)、平成29年式が85.3万円(21台)、平成28年式が76.0万円(32台)。いちばん高い令和3年式といちばん低い平成28年式の差は83.0万円です。5か所の隣どうしのうち1か所で順番が入れ替わりますが、おおむね年式の順に並んでいます。ただしこの並びには、年式ごとにマニュアルとAGSの混ざり方が違うという偏りも入っています。自分の車の金額を探すときは、ミッションの合う表の行を見てください。

走行距離も効きます。40,000km未満が146万円(19台)、40,000〜80,000kmが112万円(22台)、80,000〜120,000kmが76.2万円(23台)、120,000km以上が51.2万円(23台)。いちばん少ない帯といちばん多い帯で94.8万円、率にすると65%下がります。軽自動車のなかでは距離の伸びた個体が多く、掲載87台のうち23台が120,000kmを超えていました。

四輪駆動も見ておきます。ベースグレード 4WD 5MTはベースグレード 5MTと比べて平成28年式では平均46.1万円安くなりました。比べられたのは1通りだけなので、向きは言い切れません。新車価格では四輪駆動が10.8万円高い設定です。なお掲載した車の走行距離は、ベースグレード 4WD 5MTが中央値146,000km、ベースグレード 5MTが85,000kmです。ベースグレード 4WD 5MTの側が61,000km多く走っているので、差額のすべてが駆動の違いによるものではありません。ただし今回の落札台数は平成28年式が3台と少なく、明言はできません。傾向としてご覧ください。

新車価格に対する落札額の割合を年式ごとに並べます。ベースグレード 5MTが令和3年式で111%、令和2年式で70%、令和1年式で104%、平成30年式で63%、平成29年式で55%、平成28年式で62%。ベースグレード ATは令和1年式で41%、平成28年式で34%です。ベースグレード 4WD 5MTは平成28年式で29%になりました。ベースグレード 4WD ATは令和1年式で27%、平成28年式で23%でした。マニュアルの新しい年式では、新車価格を超える年式もあります。2021年12月に生産が終わっていて球数が増えないので、欲しい買い手が中古に集まる形です。

アルトワークスは、軽自動車としては値持ちのよい車です。掲載87台の平均は93.8万円でした。年式や走行距離より、ミッションと状態の方が金額を分けます。レカロのシートや純正の部品が残っているかも見られるので、社外品に替えている場合は外した純正部品も一緒に見せてください。同じ日に何社かへ声をかけて、提示された金額を並べて比べるのが確実です。

*

修復歴があるといくら下がるか

15台HA36S系で30%安い

オートオークションでは、骨格部分に修復歴のある車は評価点が「R」と記載され、一目で修復歴ありの車輌であることがわかるようになっています。今回のデータ106台のうち、15台が該当しました。修復歴のある車を1台ずつ、同じ年式・同じグレードで、走行距離の近い修復歴なしの車と突き合わせています。基準はあくまで修復歴車の側です。120,000km走った修復歴車なら、同じく120,000km前後の修復歴なしの車としか比べられないため、走行距離の許容幅はその車の走行距離に応じて取っています。

突き合わせる修復歴なしの車は、条件の合う中でもっとも評価点の高い個体を選んでいます。評価点の低い車を相手にすると、修復歴とは別の理由で安い車と比べることになり、修復歴そのものの影響が見えなくなるためです。

世代 照合できた台数 下落幅の分布
最小〜最大
下落幅
中央値
むしろ高かった
個体
HA36S系 15 -238% 30% 安い 1台

同じ条件の車を並べると

走行距離の少ない組み合わせから順に載せています。修復歴なしの側は、同じ年式・同じグレード・近い走行距離という条件の中で、もっとも評価点の高い個体を選びました。

世代 年式 グレード 走行 評価 落札価格
HA36S系 修復歴なし 平成29 ベースグレード 5MT 4.2万km 4.5 130万円
HA36S系 修復歴あり 平成29 ベースグレード 5MT 2.8万km 修復有 93.5万円 △36.3万円28%
HA36S系 修復歴なし 令和1 ベースグレード 5MT 3万km 4.5 154万円
HA36S系 修復歴あり 令和1 ベースグレード 5MT 3.9万km 修復有 111万円 △43.5万円28%

HA36S系では中央値で30%下がります。15台を照合した結果です。修復歴なしの側が77.8万円前後で取引される世代なので、この率を実額に直すと24.6万円の開きになるようです。

ばらつきは大きく、同じ条件でも修復歴車の方が高く落ちる例もあります。骨格の一部を交換しただけの車と、大きく損傷した車が同じ「修復歴あり」で扱われるためです。実際の査定では、どこをどう直したかまで見られると考えておいた方がよいでしょう。

修復歴があるなら、価値が残っているうちに売る方が損失を抑えられます。年式が古くなるほど下落率は小さくなりますが、それは車そのものの値段が下がりきった結果にすぎません。率が縮むのを待つ間に、元の価格の方が先に落ちていくためです。

相場を知ったうえで査定に出す

アルトワークスは世代が1つしかありませんが、年式と走行距離で相場ははっきり分かれます。掲載しているのは、すべて中古車店どうしの取引で実際についた価格です。

この落札価格は、買取店にとっての仕入れ値です。提示された査定額がここから大きく離れているなら、その理由を聞く根拠になります。複数社に査定させれば、買取店ごとの販路の差がそのまま金額差となって表れるはずです。

*