オートマチックトランスミッション滑りの症状と修理費用について
オートマが滑った!調子が悪い!
現在こんな症状ではないでしょうか。
- ギヤが入らない
- シフトアップしない
- 変速時に一瞬滑る
- 特定のギヤが滑っている
- 変速ショックが大きい
ここではオートマが滑った症状別に解説していきます。
ギヤが入らない・シフトアップ不良
セレクタレバーは動いているけど、ギヤが1速に入らない。またはリバースに入らない。
もしくは1速で走り出すのだけれど、2速に入らない。変速するのはするけれど、滑りながら変速する…。
こうした症状は、オートマチックトランスミッションの、ブレーキバンドと呼ばれる部分がヘタってしまっていることが考えられます。
基本ブレーキバンドがフリーな状態の時は、3速もしくは4速ギアに入っている状態(車種によります)で、エンジン側1回転に対して、タイヤ側も1回転という状態です。
ですから、1速や2速のギヤについては、このブレーキバンドが常に抑えたままの状態になっているということなのですが、
- 経年変化、老朽化
- 粗雑に扱ってきた
- 急発進が多かった
- 執拗なシフトダウンの連続
- 走行距離の増加
などの原因によって、ブレーキバンドが劣化し、抑えが効かなくなるようになって、滑るという症状になったと判断するのがセオリーです。
オーバーホールは必須
動画の03:20辺りでも話が出ていますが、こうなると
AT本体を分解してオーバーホール
しないと直りません。
一瞬滑って変速するという症状
ギヤの変わる瞬間、ウィーーーン!とエンジン回転が上がってシフトアップする。
こちらもブレーキバンドの不具合です。とは言っても完全に滑っているわけじゃなく、
ブレーキバンドがヘタりかけの状態
とでもいいましょうか。
ですがもうじき完全にギヤが入らなくなったりするのは時間の問題であるとも言えましょう。
こちらもオーバーホール
やはりこちらの症状であっても、
AT本体を分解してオーバーホール
して、ブレーキバンドを交換しないと直りません。
放置しておくと、どんどんひどくなる一方で、
勝手に良くなることは絶対にない
と断言できます。
変速時のショックが大きい
やはりこちらもブレーキバンドが関与している可能性が大きいです。でもよく量販店などで、変速ショックが直る!などの謳い文句で堂々と販売しているATの添加剤を見かけますが、変速ショックにはブレーキバンドが滑りかかっているのが原因というのが大半のため、
実はオイルのせいではなかった
ということが多いのです。
ひどいものには、「直らなかったら返金保証」などの謳い文句で販売しているものもあり、ついついそれに惹かれて買ってしまう方も多いようですが、返金保証はオイル代だけで、その添加剤を入れることによって、詰まりが発生し、
万一ATが壊れても保証対象外
となるということは、意外と知られていない事実のようです。
言い方はとても乱暴になりますが、AT添加剤は入れてしまうことによって最悪の場合、
AT本体が壊れてしまうこともある
ため、トドメを刺してもいいやと思える状況である場合だけに限りましょう。
AT添加剤によって...
最悪の場合ATが壊れる
ことも覚悟しましょう。状況が余計にひどくなることが多いため、メーカーでは
純正ATF以外使用しないで下さい
と指定していることを、忘れてはいけません。
どうする?? AT滑りの3つの選択
AT滑りをどうすれば良いのか
- オイル交換を怠ってしまった
- 自然には直るものではない
- 自分でオートマをバラせない
と、オートマチックトランスミッションやCVTの滑りに関しては、とにかく面倒なことになってしまっていると思いますが、ここではこれからどうすれば良いのか3つの解決策をお話ししています。
1修理する
これ以上、傷口を大きくしないためには、やはりきちんと修理するべきです。
今のまま走り続けていると、滑りがどんどんひどくなっていくばかりか、時と場合によっては止まってしまいかねません。ですが
・何年乗り続けるのか
・金銭面での問題
・愛車の残存価値
をお考えになられた方が良いでしょう。特に「何年乗り続けるのか」と「愛車の残存価値」は重要で、あまり長く乗らない車に高額なお金をかけて修理するのも考えものです。
愛車の価値とのバランスを考えて修理するようにしましょう。
トヨタ 日産 ホンダ 三菱 マツダ スバル ダイハツ スズキ
修理を格安依頼したい
自宅近くの町工場で見積り依頼するなら、こちらで詳しく解説しています。
→お近くの修理(整備)工場を探す
2放置しておく
次に、あまりおすすめはできませんが、放置しておくという選択肢もあります。
急に止まってしまうかもという危険を多く孕んでいるので、できれば早く対策するべきですが、
・そろそろ乗り換えする予定
・金銭面で本当につらい
・直すほどの価値もない車
ようであれば、放置の選択もやむを得ないかもしれません。
ですが高速道路走行中や、右折しようとした瞬間に止まってしまうことを考えると、
放置の選択は恐ろしいものとなりますね。
参考にしたい乗り換えの基準
もし、修理をするにあたって乗り換えや廃車を検討しているのなら、参考にしたい基準は以下の3点です。
以下の3つを見て判断するといいでしょう。
1新車からの経過年数
まずは新車からの経過年数です。ご自身のお車別に見てみてください。
新車から1~5年経過
乗り換える必要はないどころか新車保証がまだ残っている範囲。なので
まずはディーラー保証を受ける
ようにしましょう。ただし走行距離は10万キロ未満でないと保証対象外となりますので要注意です。
新車から6~7年経過
新車保証は切れますが、まだこの頃は故障箇所も少なく、修理する選択で問題ないことが多いです。なぜなら
よほどの不人気車でない限り車の価値は高い
ことが多ので、修理代がさほど負担にならない場合だけ、修理する方が良いでしょう。
新車から8~10年経過
このあたりの年式から少しずつ判断は難しくなってきます。車の価値はどんどん下がり、
高額な修理代になれば車の価値を追い越してしまう
ことも。この年式あたりの車から、少しずつ判断は難しくなっていきます。
新車から11年以上経過
小学4年生の子どもが、10年経てば成人していることを考えると、経過年数で言えばそろそろいろんな部分が壊れてくる頃…。
今回はこの修理をしたけれど、すぐにまた次が壊れた…。
そんなことも起こりうる年式になっています。さらには13年経過すると、毎年の自動車税が値上がりしてしまうので、よほど愛着があるとか希少車でない限り、
乗り換えも視野に入れて考える
ほうが得策でしょう。
修理をし過ぎてお金をかけてばかりいると、それこそ勿体なくなってしまって、乗り換えのタイミングを失ってしまいますので要注意です。
2現在の走行距離数
走行距離数による判断です。今現在、何キロ走っていますか?
~5万キロ未満
新車保証が残っているなら当然ディーラーへ。新車保証が切れた走行距離の少ない車両は、どんな不人気車でも高値で売却されたりする場合が多く、修理代がかからずに格安中古車に乗り換えできたり、次の購入される車両の頭金になったりします。ですので走行距離の少ない車両にお乗りの場合は、選択肢は幅広く持てると覚えておきましょう。
~7万キロ未満
少しずつ修理箇所が増えてくる年式になります。ですがまだこの年式も、修理をしてもいいですし、売却するとしてもまだまだ値段がつく走行距離です。
~10万キロ未満
10万キロになるにつれて、故障箇所はさらに多くなってきます。補機類や周辺部位のみならず、エンジン本体やミッション本体など、とても大きく修理代がかかる部分なども修理の対象となることが多いです。そして車種によってはタイミングベルトの交換時期。チェーンタイプの車では、ウォーターポンプの交換が必要になったりと、そろそろお金の要る時期です。
10万キロ以上
10万キロを超えると、エンジン、ミッションを始め、さまざまな箇所が故障範囲になってきます。中古車で購入されてる場合もそうですが、新車からお乗り場合はこれからの修理はかなりの負担になってくるでしょう。
修理というのは一度やりだすと止まりません。ここも、あそこもと修理するようになると、「この間ここを修理したから」と、もったいなくなってずっと乗り換えできない状態になってしまいます。しっかりと考える必要がありますね。
3車の価値と修理代の比較
実は3つの中でいちばん大切なのがこちらです。
まずは修理代と車の価値を確認してから考えるようにしましょう。
修理代が少額で済む場合
修理代と車の価値を確認し、修理代がかなり安価で済みそうな場合は、当然ですが修理をしてしまいましょう。
今までずっと、購入したディーラーに修理も全て任せてきました。ですが今回の修理においては経済的に苦しかったのもあって、ディーラー含めてさまざまなお店と比較するためにこちらで修理代を比較してみました。
すると今まで出していたところに比べて3割も安く、2万円以上浮いてしまって…。
これから何でもそうですが、しっかりと比較しないと損をするんだと実感しました。
車の価値と修理代が変わらない場合
けっこう悩むケースですね…。
ただし、「10万円の車両の価値と10万円の修理代」というケースと、「50万円の車両の価値と50万円の修理代」で悩むのとは、同じ金額であっても異なります。
車の価値は安くても、安価な修理代で済むようなら直す方向で検討し、次の車が買えるような金額の修理代で悩むなら乗り換えする方向での検討をおすすめします。
そんなに高く付くことは無いだろうと思っていた修理代がなんと17万円も。しかも3ヶ月後には車検を控えているし、今この商売の景気の中での出費はきつい。そう思いながらも相場を確認するとなんと20万円もついてしまった。
修理箇所を素直に告げたにも関わらず、エンジンが調子悪くても、海外へ輸出されるから問題はないと言われたのには驚きでした。
15年も乗っていたので、修理かスクラップかと迷っていたのですが、気軽に相場を調べただけでこんなに気の持ちようが変わるものだと思いもしませんでした。
修理代が車の価値より高い
修理代がいくらかかるかにもよりますが、修理代が車の価値を超えてしまっているのなら、乗り換えを検討する方がよいでしょう。
もちろん、修理金額と車の価値をしっかりと確認することが大前提で、「おそらくこれくらいだろう」などの自分勝手な判断では大損をしてしまうケースもいくつかありました。
まだ7年しか乗っていないからしばらく乗るつもりで修理に出したのが今回の失敗。面倒だったので見積もりも依頼せず、「悪いところは直してくれれば」と言ってしまったがために、あれもこれもと交換されて、結局15万円ほどの修理代に。
その1ヶ月後に妻の妊娠がわかって、乗り換えようとしたら、7年しか乗っていないのに6万円しかつかなかったのにはガックリ…!
あのとき修理せずに、先に車の価値を調べておけば良かったよぉ…。
高く売れる車と安い価値の車の違い
15年経って走行距離が15万キロの車と、5年で5万キロしか乗っていないのに価値の全く無い車があったとします。普通で考えると後者の方が高く売れるのですが、高く売れる車と安く売れる車の違いは一体何の違いなのでしょうか?
高く売れる車
以下に挙げている車種は、
- 10年以上前の車両でも
- 10万キロ以上走っていても
値段がしっかり付く車ばかりです。あなたのお車はありますか?
まずはトヨタ。このメーカーの車であれば、まず高値で売れること間違いなしです。
トヨタのほぼ全車種が海外へ輸出
されていき、主にロシアや東南アジアを中心に、後進国などにどんどん流れていきます。
理由はやはり世界のトヨタというネームブランドと耐久性。ランドクルーザーやハイエースなどは100万キロ走ってもまだまだ走るという耐久性から、全世界のユーザーに支持されています。
すべての軽自動車が売れる
軽自動車なら全般に高値で売れます。この軽自動車は貿易にはほとんど出ることはなく、大抵は
国内リユースのため高値
で売れます。今流行りのトールワゴンタイプのものはもちろん、営業車で使うようなバンタイプのものやトラックに至るまで、すべて高値で売れると思ってもらって大丈夫です。
#全メーカーの軽自動車
1500CC未満のコンパクト
経済性を求めるユーザーが多いので、この1500cc未満のコンパクトクラスは根強い人気を保っています。
中でもハイブリッドカーは無類の強さ
を誇り、走行距離が20万キロ走っていても普通に値段がつくとも。海外への貿易も積極的に行われていますので、かなりの高値を期待できるでしょう。
#全メーカーのコンパクトカー
国内でも海外も人気です
ということもあり、とても高値で推移しています。
#全メーカーのスポーツカー
ハイエースなどのバン、そして小さな軽トラックから大きな11tのトラックまで、働く車は輸出も盛んに行われていることから、とんでもなく高値で売れています。
20万キロの過走行や、外装の凹み、タバコの焦げ跡は当たり前。そんな
程度が悪くてもガンガン売れていく
のはこのジャンルならでは。安定の高値です。
#全メーカーのバン・トラック
以上の車種は現在、とても高値で取引されている車種です。一度価値を調べてみてから修理か乗り換えの判断をするといいですね。
AT滑りの症状や代表例
AT(オートマチックトランスミッション)が滑りはじめた最初のころの症状は、坂道などの勾配がついた道で、2速から3速への変速時に、突然ニュートラルでアクセルを吹かしたみたいにエンジン回転が吹け上がってしまいます。その後すぐにズドンというシフトショックと共に3速につながる現象が出ます。
実際には、ユーザーにとっては、ATが何速に入っているかなんてわかりませんので、なんせ走行中に急にエンジン回転数が上がり、その後ズドンとショックと共につながるというのが実際のところです。
まあ何とか走れるし、症状も出たり出なかったりするので、そのまま乗り続けると、今度は発進時(1速)や後退時(バックギア)まで症状が出るようになる場合もあります。
クラッチやギヤが滑っているわけではないの?
AT車には、ギアミッションのようなクラッチやギアは使われていなくて、その代わりにトルクコンバータや遊星歯車(プラネタリギア)を使っています。これらは、固い金属製なので、よほどのことがない限り、破損したり滑る状態にはなりません。(トルクコンバータ内の部品の溶接が外れ発進出来なくなるケースも稀にはありますが)
通常のAT車には、この遊星歯車が2~3セット内臓されており、これらを湿式多板クラッチやブレーキを使って、遊星歯車のギア比を変えて変速させます。クラッチやブレーキが摩耗すると変速時に滑ってしまい前述のような状態となります。
またクラッチやブレーキは、油圧回路(バルブボディ)の油圧でシフトアップ、シフトダウンを制御しています。この油圧回路に組み込まれているソレノイドバルブがゴミ噛み、Oリングからのオイル漏れなどで作動不良を起こすと、変速不良を起こします。ギクシャクしたり変速ショックが大きくなり滑っているような感覚になります。
さらにソレノドバルブはAT専用のECU (コンピューター)で制御でされており、スピードセンサーなど沢山のセンサーの信号が入力されています。これらの信号に異常がでると、これも変速不良、変速ショック、滑りの原因にもなります。
AT滑りの原因をまとめてみると
- AT内部のクラッチ、ブレーキの摩耗
- 油圧回路、ソレノイドバルブの作動不良(オイル漏れ、ゴミ噛み、ソレノイドバルブ自体の不良)
- ECU, 各センサーの信号異常
などが考えられます。
直し方や修理方法、改善方法など
前述の通り、ATの制御には沢山の電子制御が関わっています。
いきなりATのオーバーホールを実施すのは、バクチのようなものです。まずは症状が軽いうちに専門店で、ATシステムの故障診断機にかけてもらいましょう。もしエラーコードが読めれば、そこから故障の手がかりがつかめます。外部から交換できる部品であれば、ATを降ろさずにすみます。診断機をつないでエラーコード読むだけなら10分程度ですみます。費用は3000円前後。あと部品交換ならば、2~3万円、最悪ECU交換ならば10万円オーバーになるでしょう。
診断結果、何も問題なければAT本体となります。オーバーホールといってもAT専門の工場ではないと難しいでしょう。普通ディーラーとかが行うのは、リビルト品(ちゃんと修理された中古のミッション)との交換作業です。機種によりますが、おおよそミッションが10万円くらい、工賃は7~8万円くらいになります。
ATオイルは、使っていくうちにAT内のスラッジなどと混ざり合い、だんだんと摩擦力が高くなります。滑りかけたATミッションのオイル交換をすると、オイルがサラサラの状態になり、クラッチディスが劣化していた場合、滑りの症状がさらに悪化す場合があります。
オートマ滑りの添加剤は有効?
AT内部のクラッチディスクは、劣化や消耗が進むと摩擦力が低下します。ATミッションのオイル交換時にワコーズなどの添加剤を入れることで、新油になったことで起きるオイルの摩擦力低下を防ぐことができ、滑りやシフトショックの改善に有効な場合もあります。
CVTが滑る感じがする!症状や原因は?
CVTが滑る感覚は、ATの時と同様に、アクセルを踏んでもエンジン回転数だけが上がり、車が前に進まない症状です。ATとの違いは、変速しないので(無段変速)シフトショックは、あまり感じることはありません。
原因もATの場合と同じく
- CVT内部のクラッチの摩耗
- 油圧回路、ソレノイドバルブの作動不良(オイル漏れ、ゴミ噛み、ソレノイドバルブ自体の不良)
- ECU, 各センサーの信号異常
などがあげられます。
CVTベルトが滑っていると聞いたけど…
CVTは金属製のベルトが金属製のプーリーの間に食い込むような感じで回転しエンジンの駆動力を伝えています。金属同士の接触ですので理論上は数パーセントは、常に滑っています。滑りがあまりにも大きくなると、最悪の場合、金属製のベルトが切れてしまい走行不能に陥る場合もあります。CVTが大排気量車とか、高出力車に向いていないのはこの理由からです。
滑りによる損失は通常、数パーセントのわずかなロスですが、CVTは無段変速で車速とエンジン回転数をコントロールすることで、エンジンの一番効率のいい(トルクの出ている)回転数が使えるので、燃費もよく効率のよいミッションです
CVT滑りを止めたい!修理するなら?
AT同様の流れで、診断機→エラーコード読み取り→部品交換or リビルトミッションと交換 の流れになります。リビルト品交換で18万円前後。CVTはけっこうトラブルが多くて、リビルト品の在庫もキッチリあることが多いです。
CVT滑りに添加剤は効く?
CVTもAT同様、劣化して滑りかけたところに、サラサラの新油をいれると摩擦力が低下し、すべりの症状が進む場合もあります。電装系の異常やオイル漏れなどがなければ、ワコーズなどの添加剤は有効かもしれません。