2026年6月、シビックにe:HEVのRSが加わりました。専用の足回りを与えた走り志向のハイブリッドで、これでラインアップは6つになっています。
同じ一部改良では、乗る人の五感に働きかける「Honda S+Shift」が搭載されました。後席にはUSBポートが加わり、e:HEV EXとRSはアルミホイールのデザインが変わっています。
心臓は2本立て。1.5LのVTEC TURBOにCVTを組み合わせたガソリンと、2Lの直噴エンジンにモーターを重ねたスポーツe:HEVです。RSだけはガソリンが6速MT、e:HEVがCVTという分かれ方をしています。
ボディは全長4,560×全幅1,800×全高1,415mm。5ドアハッチバックのみで、駆動は全車前輪です。
WLTCモード燃費は、ガソリンが15.7km/L、e:HEVが24.2km/L。安全装備はHonda SENSINGが全タイプ標準で、急アクセル抑制機能も加わりました。
車両本体からの引きは5〜24万円と幅が広く、真ん中は20万円。オプションを含めた総額では、20〜25万円前後を引き出せれば合格ラインでしょう。
おすすめグレード
シビックのグレード選びは、まずガソリンかe:HEVか。この2つで50万円以上離れるので、ここが最初で最大の分かれ道になります。
3年落ちの落札実績を見ると、その差が意外な形で出ていました。
| 評価 | グレード名 | 特徴 | 新車価格 | 3年後予想残価率 |
|---|---|---|---|---|
| ◯ | LX(ガソリン) | 1.5Lターボの入口。Honda SENSINGは上位と同じものが付く シビックで唯一350万円台に収まるが、値持ちはEXに6ポイント届かない |
354.42万円 | ★★★★☆ (約72%) |
| ◎ | EX(ガソリン) | 装備を整えたガソリンの中核。落札実績の件数も全グレードで最も多い 今回集計したなかで残価率が最も高く、価格と中身の釣り合いも良い |
394.68万円 | ★★★★★ (約78%) |
| △ | e:HEV LX | 燃費24.2km/Lはガソリンの1.5倍を超える。LXとの差は約59万円 ところが残価率は約71%と最も低く、燃料代で差を埋めきる必要がある |
413.27万円 | ★★★☆☆ (約71%) |
| ◯ | e:HEV EX | e:HEVに装備を足した仕様で、上乗せは約32万円 2026年6月の改良でアルミホイールのデザインが変わった |
444.84万円 | 実績なし |
| ◯ | RS(ガソリン・6MT) | 6速MTでしか選べない走り仕様。車両重量は1,350kgと全グレードで最軽量 EXからは約54万円。MTが苦にならない人にとっては唯一の選択 |
448.8万円 | 実績なし |
| ◯ | e:HEV RS | 2026年6月に加わった専用足回りのハイブリッド。燃費も24.0km/Lを保つ e:HEV EXからは約21万円。出たばかりで中古市場の評価はまだ出ていない |
465.96万円 | 実績なし |
※e:HEVの残価率は、グレードが分かれる前の実績。RS系と2026年6月に加わった仕様は実績が足りず数値を出していない
本命はEXです。
LXとの価格差は約40万円。ここで装備が一通り整い、シビックらしい内外装の仕上がりまで届きます。それでいて残価率は約78%と、今回読み取れた範囲で最も高い数字が出ました。
件数の裏づけもあります。3年落ちの落札実績で、EXだけが飛び抜けて台数を集めていました。中古で探す人が多いということは、手放すときに買い手を見つけやすいということでもあります。
引っかかるのがe:HEVの位置づけです。燃費24.2km/Lはガソリンの1.5倍を超えますが、残価率は約71%とEXを7ポイント下回りました。LXから約59万円という価格差を、燃料代と残価の両方で埋める必要があります。
年間1万km程度の乗り方なら、この差を取り戻すのは簡単ではありません。走行距離が多い人ほどe:HEVが有利になる、という当たり前の線引きが、そのまま数字にも出ています。
RSは6速MTでしか選べない走り仕様です。車両重量1,350kgは全グレードで最も軽く、EXからは約54万円。MTに乗る前提があるなら、シビックでこれを選ばない理由は少ないでしょう。
2026年6月に加わったe:HEV RSは、専用の足回りを持ちながら燃費24.0km/Lを保ちます。e:HEV EXからは約21万円。MTには乗れないが走りは欲しい、という人のための答えになっています。ただし出たばかりで、中古市場での評価はこれからです。
迷ったら、価格と値持ちのバランスで選ぶならEX、走りまで取りにいくならRSがおすすめです。
気になる競合車種
まずトヨタのカローラスポーツです。同じ5ドアハッチバックで価格帯も重なり、販売網の広さでは大きく先を行く相手。シビックの商談で名前を出せば、担当者が最も意識する一台になります。
走りの完成度と車格ではシビックが上を主張したい場所ですが、そこを語り出すと価格差を正当化する話になってしまいます。名前を出すだけにとどめておきましょう。
もう1台がマツダのMAZDA3です。内装の作り込みと走りの落ち着きを売りにしていて、選ぶ動機がシビックと重なります。2026年8月には2.5Lを追加したばかりで、比較対象としての鮮度も十分でしょう。
ここで燃費や動力性能の数字を並べるのは避けてください。それぞれの得意分野で反論の材料を渡すことになります。名前を出す。伝えるのは、そこまでで足ります。
シビックの値引き交渉で使えるコツ
値引き額の大小だけを追いかけても、あまり実になりません。見るべきは、その引きがどこから出たのかという一点です。車両本体を削ったのか、ディーラーオプションを値引いたのか、下取り査定を上乗せして帳尻を合わせたのか。出どころが違えば、次に押せる場所も変わります。
シビックは、本体で押す車です。報告を並べると本体だけで20万円が真ん中で、25万円まで伸びた例も出ています。一方でオプション側は真ん中がゼロ。用品を厚く積んでそこから削る組み立ては、この車ではほとんど効きません。
ゼロ回答も2件混ざっています。同じ車、同じグレードでここまで差が開くのは、車ではなく商談の中身が条件を決めているためです。
本体一本で話を進めるなら、材料は下取りしかありません。ホンダの正規店は地域によって別会社が並び立っていることがあるので、そこが使えるかも先に調べておきましょう。同じシビックどうしで条件を比べられるなら、それがいちばん確実な手になります。
競合見積りは 見せず・匂わせる
カローラスポーツとMAZDA3の見積書は、シビックの商談に入る前に手元へ揃えておきましょう。ただし、その紙をテーブルに広げるのは避けたほうが賢明です。
金額を先に見せてしまうと、営業マンはその数字をほんの少し上回るところに着地点を置き、そこで止まります。数字には触れず、「他でも見積もりをお願いしていて、まだ決めきれていない」くらいの温度で止めておく。
着地点が読めない相手に対しては、担当者も手探りで条件を積むしかありません。
シビックはガソリンとe:HEVで50万円以上の段差があります。「予算次第ではガソリンに落とす」という空気も、担当者にとっては避けたい展開です。上のグレードを買わせたい相手ほど、この一言が効きます。
時期を狙って待つのは、もう古い
決算期まで待てば値引きは伸びる——長く語られてきた王道ですが、いまのシビックでは分が悪くなっています。2026年6月にe:HEV RSを追加したばかりで、話題が新しいうちは台数欲しさの焦りが生まれにくいためです。
待つ判断には代償もあります。決断を1か月遅らせれば、納車もそのぶん後ろへずれる。ここが今乗っている車の車検満了と噛み合わなくなると厄介です。
もう一度車検を通すか、代車で凌ぐかの二択に追い込まれ、値引きで削った以上の出費がそこで出ていく。数万円を待って10万円近い車検費用を払っていては本末転倒でしょう。
狙うなら、決算までの数か月ではなく数週間の単位。新グレードの話題がひと段落した頃合いを見計らって、一気に詰める。この程度の待ち方が、ちょうどいいと思います。
営業マンが動くポイント
担当者が動きやすいのは、まず月末です。販売台数の締めが迫っていれば、1件の商談の重みが普段とはまるで違ってくる。月の後半に話を詰める段取りにしておくだけで、引き出せる条件は動きます。
週末なのに店内が空いている日も見逃せません。商談テーブルが自分たちだけなら、担当者は時間も気持ちもこちらに集中させられますし、上と掛け合う余裕も生まれる。来店客であふれた日は、どれだけ粘っても「では次回に」で流されて終わりです。
そして聞き方。「いくら引けますか」と迫るのは、実はいちばん通りにくい形です。
「この条件なら今日決めます」
こう言い換えるだけで、担当者にとっては社内で通しやすい話に変わります。
シビックは本体が動く車ですから、条件も本体に寄せて構いません。オプションから削ろうとしても真ん中はゼロですから、そこに時間を使うより本体価格を一本で詰めたほうが早く着地します。
基本姿勢は、買う意思が固いことと、他社も本気で比べていることをセットで伝えること。「条件が合えば今日サインする」と「ただカローラスポーツとMAZDA3の見積もりも取っている」を必ず同時に出します。片方だけだと、決め打ちと見抜かれて足元を見られるか、冷やかしと判断されるかのどちらかに転びます。
決めたい。でも条件次第——この温度感を最後まで崩さないことが、担当者にもう一歩踏み込ませる条件になります。
値引きを迫りすぎると嫌われる!?
近年の需要の多さと納期遅れにより、値段を引かなくても売れるという風潮が強まっている中、
- もっと引いてくれ!
- あと3万なんとかならんか!
- ガソリンも満タンにしろ!!
と、あれこれ迫るのも、少し嫌がられそうで悩んでいませんか?
新車を購入してからが本当のお付き合い。無料点検やリコールなど、同じディーラーへ足を運ぶ機会は増えるのに、最初から値引きを迫りすぎて嫌われるのも困ったもの。
でも安く買いたい。
下取り予定のお車があるなら、お車の値引きを「あと1万円!」としつこく迫るより、下取り車を10万円高く売った方が、精神的にもラクなのではないでしょうか。