ヴェルファイアで最も値持ちするのは、いちばん安いZプレミアです。3年落ちの落札実績で約102%、つまり新車価格を上回る水準で取引されています。

値引きのほうは、ほとんど出ません。購入報告26件のうち18件が車両本体ゼロ回答で、値引き率の平均は0.4%。最も引けた例でも1.5%どまりです。

2023年6月に出た40系は、2026年6月の一部改良で新色のニュートラルブラックが加わりました。リヤには新開発のダブルウィッシュボーンサスペンションが入り、プラットフォームも刷新されています。

心臓は3種類。2.4Lターボのガソリン、2.5Lのハイブリッド、そして最上段のプラグインハイブリッドです。ガソリンとハイブリッドにはそれぞれ2WDと4WDが用意されています。

ボディは全長4,995×全幅1,850×全高1,945mm。一般的な機械式駐車場の制限である全長5,000mm、全幅1,850mm以下に収まるよう作られている点は、この車を選ぶうえで見逃せません。

値引きが出ない車で、どこを削るか。答えは下取りと、グレードをどこで止めるかです。

おすすめグレード

ヴェルファイアのラインアップは、Zプレミアとエグゼクティブラウンジの2系統。674万円から1,089万円まで、400万円以上の幅があります。

3年落ちの落札実績で拾えたのはZプレミアだけですが、その数字がグレード選びの答えをはっきり示しています。

評価 グレード名 特徴 新車価格 3年後予想残価率
Zプレミア(2WD・ガソリン) 2.4Lターボを積むヴェルファイア専用グレード。落札実績の件数も最多
今回集計したなかで残価率が最も高く、3年落ちで新車価格を上回る
674.96万円 ★★★★★
(約102%)
Zプレミア(4WD・ガソリン) 同じZプレミアの4WDで、上乗せは約20万円
値持ちは2WDより4ポイント下がるが、それでも100%に迫る水準
694.76万円 ★★★★★
(約98%)
ハイブリッドZプレミア(2WD) 燃費17.8km/Lはガソリンの1.6倍を超える。値引きの報告数も最も多い
ガソリンとの差は約35万円で、走る距離が多いほど埋まっていく
709.94万円 実績なし
ハイブリッドZプレミア(4WD) ハイブリッドの4WDで、上乗せは22万円
雪道と燃費を両取りしたいなら、この組み合わせが素直な答えになる
731.94万円 実績なし
ハイブリッド エグゼクティブラウンジ(2WD) 内装を仕立て直した上級系。ハイブリッドZプレミアから約175万円上
値引きの出ない車で、この差額を丸ごと払う覚悟が要る
884.95万円 実績なし
プラグインハイブリッド エグゼクティブラウンジ(4WD) 1,089万円台に届くヴェルファイアの頂点。車両重量も2,470kgと最も重い
外部給電を含めた使い方が決まっている人向けの選択
1089.99万円 実績なし

※ハイブリッドとエグゼクティブラウンジは3年落ちの落札実績が足りず数値を出していない

本命はZプレミアです。

いちばん安いグレードが最も値持ちする、という珍しい形になっています。約102%という数字は、3年乗って払った金額より高く売れる計算です。値引きが出ない車では、この値持ちが実質の負担を決めます。

専用グレードという位置づけも効いています。ヴェルファイアのZプレミアには専用のサスペンションチューニングとボディ補強が入り、2.4Lターボという専用のパワートレーンが載る。装備で上と差をつけられているグレードではありません。

だからこそ、エグゼクティブラウンジまで行く理由が見つかりにくい。ハイブリッドZプレミアからは約175万円という段差があり、変わるのは主に内装の仕立てです。値引きで吸収できない車ですから、この差額はまるごと自己負担になります。

ガソリンかハイブリッドかは、走る距離で決まります。燃費17.8km/Lはガソリンの10.7km/Lに対して1.6倍を超え、差額は約35万円。年間2万km走るなら数年で埋まりますし、週末しか乗らないならガソリンで十分でしょう。

値引きの報告数を見ると、ハイブリッドのZプレミアが最も多く集まっていました。実際の売れ筋はこちらということです。

4WDはガソリンで約20万円、ハイブリッドで22万円の上乗せ。ガソリンの4WDは残価率が2WDより4ポイント下がりましたが、それでも100%に迫る水準を保っています。雪の降る地域なら、迷わず選んで問題ないでしょう。

迷ったら、値持ちまで含めて選ぶならZプレミア、走る距離が多いならハイブリッドZプレミアがおすすめです。

気になる競合車種

まず日産のエルグランドです。大型ミニバンとして長くヴェルファイアと張り合ってきた相手で、名前を出せば担当者はすぐに意図を汲みます。

販売台数では大きく差がついていますが、それは担当者も分かっていること。だからこそ「それでも比べている」という姿勢が、条件面に効きます。

もう1台がホンダのオデッセイです。全高を抑えた低重心のミニバンで、走りの質感を優先する層が重なります。両方を見てきたと伝えれば、大型ミニバンという括りのなかでまだ決めきれていない空気が作れるでしょう。

ここで室内寸法や燃費の数字を並べるのは避けてください。それぞれの得意分野で反論の材料を渡すことになります。名前を出す。伝えるのは、そこまでで足ります。

ヴェルファイアの値引き交渉で使えるコツ

値引き額の大小だけを追いかけても、この車では実になりません。報告の7割が本体ゼロ回答という状況で、本体価格を何度突いても返ってくる言葉は同じです。

受注が積み上がっている車では、値引きで背中を押す必要が店側にありません。粘るほど商談が長引き、担当者の熱も冷めていくだけです。

では何を削るのか。答えは下取りです。ヴェルファイアは3年落ちで新車価格を上回る水準で取引されている車ですから、いま乗っているのがヴェルファイアやアルファードなら、その査定額そのものが強い材料になります。買い取り専門店の査定を先に取り、その数字を持って商談に入りましょう。

オプションにもわずかな余地は残っています。真ん中はゼロですが、15万円まで引かれた報告も出ている。用品を一通り見積もりに載せておけば、最後の詰めで動く可能性はあります。

競合見積りは 見せず・匂わせる

エルグランドとオデッセイの見積書は、ヴェルファイアの商談に入る前に手元へ揃えておきましょう。ただし、その紙をテーブルに広げるのは避けたほうが賢明です。

金額を先に見せてしまうと、営業マンはその数字をほんの少し上回るところに着地点を置き、そこで止まります。数字には触れず、「他でも見積もりをお願いしていて、まだ決めきれていない」くらいの温度で止めておく。

着地点が読めない相手に対しては、担当者も手探りで条件を積むしかありません。

ただしこの車では、匂わせる先を本体値引きに置いても動きません。狙うのは納期と用品です。「他はいつ納車できると言っている」という切り口のほうが、担当者にとっては具体的に動ける話になります。

時期を狙って待つのは、もう古い

決算期まで待てば値引きは伸びる——長く語られてきた王道ですが、ヴェルファイアではまったく機能しません。値引きの原資がそもそも無い車だからです。

むしろ待つ側に不利が働きます。2026年6月に一部改良を受けたばかりで、次の改良でさらに装備と価格が動く可能性がある。待つほど条件は悪くなります。

納期の問題も大きい。決断を1か月遅らせれば納車もそのぶん後ろへずれ、今乗っている車の車検満了と噛み合わなくなると厄介です。もう一度車検を通すか代車で凌ぐかの二択に追い込まれ、そこで出ていく金額は値引きで削れる額をはるかに超えます。

この車に関しては、待つ意味を探すより、下取りをいくらで通すかに時間を使ったほうが確実です。

営業マンが動くポイント

担当者が動きやすいのは、まず月末です。販売台数の締めが迫っていれば、1件の商談の重みが普段とはまるで違ってくる。月の後半に話を詰める段取りにしておくだけで、引き出せる条件は動きます。

週末なのに店内が空いている日も見逃せません。商談テーブルが自分たちだけなら、担当者は時間も気持ちもこちらに集中させられますし、上と掛け合う余裕も生まれる。来店客であふれた日は、どれだけ粘っても「では次回に」で流されて終わりです。

そして聞き方。「いくら引けますか」と迫るのは、この車ではいちばん通りにくい形です。

「この条件なら今日決めます」

こう言い換えるだけで、担当者にとっては社内で通しやすい話に変わります。

ヴェルファイアでは、この条件を下取りと用品で組みましょう。「下取りをこの金額で見てもらえるなら今日決めます」という持ちかけ方なら、本体価格に手をつけずに総額を下げられます。担当者にとっても、値引き稟議より通しやすい話です。

基本姿勢は、買う意思が固いことと、他社も本気で比べていることをセットで伝えること。「条件が合えば今日サインする」と「ただエルグランドとオデッセイの見積もりも取っている」を必ず同時に出します。片方だけだと、決め打ちと見抜かれて足元を見られるか、冷やかしと判断されるかのどちらかに転びます。

決めたい。でも条件次第——この温度感を最後まで崩さないことが、担当者にもう一歩踏み込ませる条件になります。

値引きを迫りすぎると嫌われる!?

近年の需要の多さと納期遅れにより、値段を引かなくても売れるという風潮が強まっている中、

  • もっと引いてくれ!
  • あと3万なんとかならんか!
  • ガソリンも満タンにしろ!!

と、あれこれ迫るのも、少し嫌がられそうで悩んでいませんか?

新車を購入してからが本当のお付き合い。無料点検やリコールなど、同じディーラーへ足を運ぶ機会は増えるのに、最初から値引きを迫りすぎて嫌われるのも困ったもの。

でも安く買いたい。

下取り予定のお車があるなら、お車の値引きを「あと1万円!」としつこく迫るより、下取り車を10万円高く売った方が、精神的にもラクなのではないでしょうか。