ダイハツの軽スーパーハイトワゴンを代表する一台が、タントカスタムです。ピラーを内蔵した「ミラクルオープンドア」で最大1,490mmもの開口を実現し、後席への乗り降りや大きな荷物の積み込みでライバルを一歩リードしています。

現行型は2019年7月のフルモデルチェンジでDNGAプラットフォームへ刷新され、2022年10月の一部改良でファンクロスが追加された後も、毎年の細かな熟成を重ねて完成度を高めてきました。

カスタムは標準タントと違って大型グリルとフルLEDヘッドランプを備えた押し出しの強い顔つきが特徴で、内装もブラック基調にメッキ加飾を散りばめた上質な空間にまとまっています。

グレードはノーマルアスピレーションのカスタムXと、64馬力ターボのカスタムRSの2本立て。両側パワースライドドアが全グレード標準なので、子育て世代や送迎の多い家庭にとっては装備面の不満が出にくい構成です。予防安全のスマートアシストも全車標準で、ステレオカメラによる衝突回避支援や標識認識まで一通り揃っています。

納期は2026年5月時点でおおむね2〜3ヶ月が目安です。グレードやボディカラー、オプションの組み合わせ次第で前後しますが、かつてのような極端な長納期ではなくなりました。

気になる値引きですが、現在の相場は車両本体+ディーラーオプション込みで総額18〜19万円あたりが一つの目安になります。人気車だけあって極端に大きな額は出にくいものの、交渉次第で20万円台に乗せられるケースもあります。

おすすめグレード

カスタムはエントリーグレードを持たない上級寄りの構成なので、ノーマルタントのような「装備を削った格安グレード」がありません。カスタムXとカスタムRSの2つから、ターボの有無と予算で選ぶ形になります。以下に全グレードの位置づけと予想残価率をまとめました。

評価 グレード名 特徴 新車価格 3年後予想残価率
カスタムX 両側電動スライド、キーフリー、LEDヘッドランプ標準のNA上位グレード。価格と装備のバランスが最良
日常使いが中心で、ターボまでは要らない人に最適
187万円 ★★★★☆
(約75%)
カスタムRS 唯一の64馬力ターボ+両側電動スライド、専用エアロ、15インチアルミ標準
高速や坂道を多用する人、走りと見た目にこだわる人向き。残価率も高い
196.35万円 ★★★★★
(約77%)

素直におすすめできるのはカスタムXです。両側電動スライドドアやキーフリー、LEDヘッドランプといった「あって当然」の装備が揃っていて、街乗り中心なら不満を感じる場面はほとんどありません。NAエンジンでも市街地と高速を普通に流す分には十分で、価格を1,870,000円(2WD)に抑えられるのは大きい。中古市場でも安定して引き合いがあり、3年後でも7割超の残価が期待できます。

走りに重きを置くならカスタムRSです。タントの中で唯一のターボで、合流や登坂のストレスが一気に減ります。15インチアルミや専用エアロで見た目の満足度も高く、リセール面でも一番強い。価格は2WDで1,963,500円と一段上がりますが、長く乗っても価値が落ちにくい点を考えれば割高感は薄れます。高速をよく使う人なら、この差額を払う価値は十分あります。

迷ったら、街乗り中心ならカスタムX、走りと残価重視ならカスタムRSがおすすめです。

気になる競合車種

タントカスタムと同じ軽スーパーハイトワゴンには、強力な他メーカー車が揃っています。商談で名前を出すなら、ホンダN-BOXカスタムとスズキ・スペーシアカスタムの2台が鉄板です。どちらも販売台数で上位を争うライバルで、ダイハツの営業マンも当然意識しています。

交渉の場では「N-BOXカスタムやスペーシアカスタムとも迷っていて、正直まだ決めきれていない」と伝えるのが効果的です。N-BOXは長年の販売王者でブランド力が強く、スペーシアは燃費の良さとマイルドハイブリッドが武器。この2台を引き合いに出されると、営業マンは「他に流れるかも」という意識が働き、値引きやオプションサービスで踏ん張ってくれる可能性が高まります。

注意したいのは、同じダイハツのムーヴキャンバスや、OEMのスバル・シフォンを競合に挙げても交渉材料としては弱いことです。値引きの原資は結局メーカー側で繋がっているため、レバレッジになりません。あくまで他メーカーのN-BOX・スペーシアの見積もりを手元に用意しておくのが、効く交渉の前提になります。

タントカスタムの値引き交渉で使えるコツ

タントカスタムは人気車ゆえに値引きが派手に伸びるタイプではありません。だからこそ、限られた幅の中でいかに上限まで引き出すかが勝負になります。ここからは、商談で実際に効く3つの動き方を順に見ていきます。

競合見積りは 見せず・匂わせる

N-BOXカスタムやスペーシアカスタムの見積もりは必ず取っておきましょう。ただし、その紙をそのままダイハツの営業マンに見せるのは下策です。具体的な金額を相手に渡してしまうと、「その額をわずかに上回るだけ」の最低限の対応で終わってしまいます。

賢いのは、金額を伏せたまま「他でも見積もりをもらっていて、正直どちらにするか迷っている」と匂わせる程度に留めること。手の内を見せないことで、営業マンは「どこまで引けば決めてもらえるのか」を自分の頭で考え始めます。この「考えさせる」状態を作れるかどうかが、提示額を引き上げる鍵になります。

もう一押し欲しいなら、「条件が合えば今日にでも決めたい」という前向きさを添えると効果的です。迷っている素振りと、買う気の本気度。この二つを同時に見せられると、相手も本気の数字を出さざるを得なくなります。

時期を狙って待つのは、もう古い

「決算期まで待てば値引きが膨らむ」という昔ながらの常識は、今のタントには当てはまりません。ディーラーは年中なんらかの販売目標を抱えていて、決算期だけ突出して条件が良くなるわけではないからです。実際、タントの値引き相場はここ半年ほど18〜19万円で横ばいが続いています。

むしろ待つことのリスクの方が大きい。納期が2〜3ヶ月かかる以上、契約が遅れればそのぶん納車も後ろにずれます。今の車の車検が迫っている人なら、待っている間に車検費用が余分にかかったり、つなぎの出費が発生したりと、値引きで浮かせた額が簡単に吹き飛びかねません。

欲しいと思った時が、買い時です。時期を見計らって数万円の上乗せを狙うより、別のアプローチで総支払額を下げた方が、はるかに大きな差が生まれます。その最大の鍵が、次に触れる下取りの扱い方です。

営業マンが動くポイント

営業マンが「もう少し頑張ろう」と思う場面には、いくつかの共通点があります。月末でノルマ達成まであと一台というタイミング、週末なのに来店客が少なくて契約を逃したくない状況、そして「他社でほぼ決めかけている」と感じた時です。こうした瞬間に商談が重なると、提示額が一段跳ね上がることがあります。

狙って合わせるのは難しくても、こちらの姿勢でその気にさせることはできます。基本は「買う意思は固い、でも他社も本気で検討している」を同時に伝えること。買う気がないと思われれば真剣な数字は出てきませんし、逆に余裕で他へ流れそうだと思われすぎても話が進みません。

「条件さえ折り合えば今日決めます」と言い切れる準備をしておくと、営業マンは上司に交渉しに行く理由ができます。最後のひと押しは、相手が社内で値引きを通しやすい状況を、こちらから作ってあげる感覚です。

値引きを迫りすぎると嫌われる!?

近年の需要の多さと納期遅れにより、値段を引かなくても売れるという風潮が強まっている中、

  • もっと引いてくれ!
  • あと3万なんとかならんか!
  • ガソリンも満タンにしろ!!

と、あれこれ迫るのも、少し嫌がられそうで悩んでいませんか?

新車を購入してからが本当のお付き合い。無料点検やリコールなど、同じディーラーへ足を運ぶ機会は増えるのに、最初から値引きを迫りすぎて嫌われるのも問題ですよね。

でもできるだけ安く買いたい。

ならば下取り予定のお車があるなら、「あと1万円!」としつこく値引きを迫るより、下取り車を10万円高く売った方が精神的にもラクなのではありませんか。

→ディーラーで売るより買取店が高かった話

ご興味あったら見てみて下さい。