新車・中古車を問わず、現金一括で購入しようと考える方の多くは、できるだけ有利な条件で契約したいと考えています。 その中でも

「値引きがどこまで出るのか」

が最初に気になるポイントではないでしょうか。

過去には、在庫状況や時期によって、現金一括が交渉材料として扱われることもありました。

しかし現在では、それだけで条件が動く時代ではなくなってきているのです。

現金一括で値引きは増える!?

以前は割賦といって、ディーラーや中古車販売店が、自社で分割払いを受けていました。

しかしこの仕組みでは、販売店は代金を回収するまでに何年もかかり、未回収のリスクも抱えることになります。そのため当時は、現金一括で購入するお客さんが優遇されるようになっていたのです。

ところが現在では、分割払いの主体は販売店から信販会社や金融機関へと移っています。このため現金購入であっても、ローンや残クレ購入であっても、販売店には一括で入ってくるのと同じ。

さらには、信販会社からの手数料バックの存在も大きく、

たとえば金利が5%の場合、そのうち約◯%分が販売店の手数料として還元されるなど、今では現金契約より、ローンや残クレ契約の方が、販売店にとって好まれやすい傾向になっています。

車の値引きには限界がある

新車と中古車それぞれの値引き状況を見ていきましょう。

新車の値引きの場合

新車の値引きは、一般的に車両本体価格の5〜15%前後と言われていて、

あくまで理論上ですが、

  • 300万円なら15~45万円前後
  • 500万円なら25~75万円前後

の値引きということになります。

ただしこの上限の15%は、よほどの条件が揃わないと提示されることはありません。

キャンセル車両で長期在庫されていたり、ディーラーが発注時に色やオプションを間違えて在庫になった車であったり、さらにはよほどの不人気車であるなどの場合に限られます。

逆に「指名買い」で売れるような人気車種では、こうした発注ミスやキャンセルなどの条件が揃ったとしても、期待するほど値引き条件は良くなりません。

さらに、軽自動車やコンパクトカーなどの車種については、もともと価格が低価格で人気があるため、値引きは数万円~10万円程度に留まるのが現状となっています。

中古車の値引きの場合

そして中古車の場合は、残念ながらほぼ値引きはありません。

もともとは「一物一価」といって、中古車は同じ車種でも年式や走行距離、程度が1台ずつ異なります。仕入額がそれぞれ違うので、近年では表示価格から値引きをする中古車店は少なくなってきました。

なかでもカーセンサーやGooなどの広告に掲載しているお店などは、

  • 少しでも安く見せたい
  • 少しでも注目を集めたい

ため、特にその傾向は強まっているようです。

値引きよりも付き合いを考える

車の値引き交渉で、あと1万円や2万円は何とかなったとしても、10万円以上の差がつく時代ではないことがお分かりいただけたのではないでしょうか。

多くの人が時間をかけて交渉している割に、後から振り返ると

「思ったほど得をしていなかった」

という結果になっているのが現状なのです。

車は購入してから付き合いが始まるもの。点検や保証、保険など、何かにつけてやり取りする機会は増えるので、値引き値引き!とガンガンまくしたてるのか、柔らかく話してそこそこに切り上げるのか。

高圧的な態度やしつこさを出して相手に嫌われてしまったら、その後健全な付き合いはできるでしょうか。

下取り含めた支払総額が大切

今お乗りの車を、次の車を買うお店に査定してもらう。決して悪いことではありません。

でも車を買うときには多くの店を回ったり、粘り強く交渉したりするのに、下取りに出すときは買う店にそのまま出す。

本当にこれで良いのでしょうか?

下取り価格は、その場の雰囲気や商談の流れで決まってしまうことも少なくありません。

本来であれば、今のあなたの車も「売りもの」です。買う車と同じように、多くのお店で比較してから判断しても不自然ではないはずです。

値引きばかりに夢中になると…

ところが実際には、値引きの話に意識が向いてしまい、下取り価格については深く考えないまま話を進めてしまうケースが多く見られます。

その結果、値引きで数万円得をしたつもりでも、下取り価格でそれ以上に損をしてしまう人が多いです。

買う車の条件が大きく動きにくい今、最終的な支払総額に差が出やすいのは、

いくらで買うかよりいくらで売るか

の部分が大切。

試しにまず、下取させる予定の車の値段を確認してから販売店と交渉に行ってみてください。きっと提示される査定額の揺れに驚かれるはずです。

→今の車の相場を確認してみる

 

なぜ下取りは比較すべきか

下取り価格は、車そのものの価値だけで決まっているわけではありません。実際には

「他にいくらで買うところがあるか」

という条件によって、大きく左右されます。

車を買うお店だけで下取りを進める場合、お店は他社と競う必要がありません。

多少安い金額であっても話がまとまるのであれば、あえて条件を上げて高く買う理由がないのです。

他社が値段をつけていたら

一方で、他社の査定額が1つでもあると、状況は激変します。

他社の金額を基準に

「この査定額に対抗するかどうか」

の判断になるため、下取り価格は単なる評価ではなく、交渉条件の一部として使えるようになるのです。

またここで重要なのは、必ずしも最高額で売ることではありません。

競合する査定額があるだけで、販売店側は「下取りを上げてでも契約をまとめるか」という判断を迫られる立場になります。

つまり、下取りを比較する目的は、高く売るためというよりも、

交渉の主導権をこちらに引き戻すため

です。

全体的に値引きが渋い今、条件が動きやすいのは下取りです。

もちろん、比較して下取りのほうが高くなれば、そのまま下取りに出せばいい。でも買取店のほうが高くなれば、購入と下取りは切り分けて考えればいいだけ。

またこの下取りベースで交渉する方が、「あと1万円引いてくれ!」と言いにくいことを言うよりも、サクッと10万円以上どころか、30万円以上得をすることもあります。

下取りの値段は、比較するかしないかで、最終的支払総額に差が出やすくなるという性質を持っているのです。

現在高く売れやすい車種とは

1.軽・コンパクト
年式や型落ちに関係なく、常に一定の需要があり、中古市場で動きが止まりにくいのが軽自動車。通勤・買い物・送迎など、生活に直結した用途が多く、「とりあえず使える車」を探している層が途切れません。

そのため多少古くても値段が一気に崩れることは少ない傾向にあります。 特に、スライドドア付きや定番モデル、使い勝手の良いグレードは、年数が経っていても欲しがる人は多く、新車価格がもともと低いため、ずっと相場が安定しているのが軽自動車です。

2.ミニバン
家族用途という目的が明確で、年式に関係なく一定の需要が続くのがミニバンです。スライドドアや3列シートといった機能そのものに価値があり、「必要な人が必ずいる車種」と言えます。

新型・旧型の差よりも、使い勝手や定番モデルかどうかが重視されるため、型落ちでも相場が崩れにくいのが特徴です。下取りでは無難な評価に収まりやすい一方、買取では需要を前提にした価格が出やすく、比較することで差が出やすいジャンルです。

4.SUV
見た目と実用性のバランスから、幅広い層に支持されているのがSUVです。流行に左右されにくく、中古市場でも安定した需要があります。

モデルチェンジ後でも旧型が一定数売れるため、年式が古くなっても値崩れしにくい傾向があります。人気グレードや定番仕様であれば、下取りよりも買取のほうが評価されやすく、比較することで金額差が出やすいジャンルです。

5.バン・トラック
仕事や業務用途で使われるバン・トラックは、年式や見た目よりも「使えるかどうか」が重視される車種です。走行距離が多くても需要が残りやすいのが特徴です。

販売店の下取りでは安全側の評価になりやすい一方、専門の買取では用途と回転を前提に価格が付くため、比較したときの差が大きくなりやすいジャンルです。特に法人・地方需要がある車は、相場が底割れしにくい傾向があります。

6.スポーツカー
実用性ではなく嗜好で選ばれるのがスポーツカーです。年式や型落ちよりも「その車であること」に価値があり、需要が限定される代わりに濃いのが特徴です。

中でもMT車は供給が少なく、指名買いが起きやすいため高く評価される傾向があります。下取りでは評価されにくい反面、買取や専門ルートでは相場が跳ねやすく、比較しないと損が出やすいジャンルと言えます。

7.クロカン・本格4WD
SUVの中でも、ラダーフレーム構造を持つクロカンや本格4WDは別枠で考えるべきジャンルです。見た目や年式よりも「悪路でも使えるか」「耐久性があるか」が重視され、需要が途切れにくいのが特徴です。

国内だけでなく、地方や海外向けの需要も強く、年式が古く走行距離が多くても値段が残りやすい傾向があります。販売店の下取りでは評価されにくい一方、用途や販路を把握している買取では差が出やすく、比較することで金額が大きく変わりやすいジャンルです。

1円でも安く買うために、値引き交渉の現実と乗り換える車を高く売るお話でした。

すでに下取り価格が出ていて、見積書に組み込まれている場合でも、一度価格を調べてみてください。多くの中古車店に見てもらったほうが、少しでも支払う金額は変わると思いますよ。

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